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2012年6月22日 (金)

「東京メトロと都営地下鉄は一元化できる」すべての疑問に答える――6月21日猪瀬直樹会見速記録

日時:2012年6月21日(木曜日) 午後1時50分~午後2時11分
場所:都営九段下駅コンコース

【副知事】 ホームの壁、結構こんなに厚さく、40センチぐらいありましたでしょう。で、さっきの筒のような形で壁を削っていって、あれで、一つ15キロ以上あります。ホームの壁を取り払うことができると、乗換えがもう3秒とか5秒でできますが、現状では、階段やエスカレーター昇ってきて、改札を出て、で、今度メトロの改札に入り直して、また階段を降りていく。ラッシュアワーだと、5分近くかかります。今いるこのコンコースの壁が取れる。壁が取り払われると、コンコースが広くなります。乗り換えのために、改札をいちいち通ってると、防災の観点からも危険ですね。直下型地震とか、このスペースが広くなりますので、一時的な避難場所にも使える。

九段下の壁というのは馬鹿の壁です。コンコースの壁を取り払って、スムーズに乗換えができるようになると同時に、防災上の観点からも、望ましい形になってくる。

壁があるのは、かつての営団地下鉄、現在の東京メトロと、都営地下鉄が、別々の会社であるから、こういう壁ができている。一つの会社にしていくということで、2年前から協議の場を設定して話し合ってきました。財務省が株を53.4%、東京都が46.6%持っている。その株主と、国土交通省鉄道局、鉄道の監督権限を持っている鉄道局とそして東京メトロ。この4者で協議をして、一元化を目指しまずはこの壁を取るとこまできた。しかし、民主党政権の間に、国土交通大臣が5人も代わってしまっているので、途中まで話が進んでも、決裁ができない。まだ、一元化が実現していません。

これから新しい政権になるなり、どうなるか知りませんが、そういうところで、合意を進める話を進められたらと思っています。以上です。

【記者】 今日は、目に見える壁が、なくなったところに行かれたのですが。一元化に向けての目に見えない壁とは何でしょうか。

【副知事】 それはですね、株式が、国が53.4%、東京が46.6%ですから、あと4%あれば、東京が過半数になる。合併するためには、3分の2が必要になります。そのためには、あと20%ぐらい必要になります。これは、もし、国が財政難で、株を売るとしたら、東京都は買います。

【記者】 嫌がっている理由は何ですか。国が嫌がっている理由は。

【副知事】 これは、東京メトロの既得権益があるからです。東京メトロに国土交通省から社長が天下りしてきた。いまは、、今、たまたま、東京メトロはプロパー社長になってますけど、要するに国土交通省と東京メトロが、既得権益を守ろうとするわけですね。東京メトロは、儲かりすぎて、あちこちアパート造ったりして、経営したりしている。やってます。それから、今、西馬込のところに、その1万㎡位ある自分の所有地に社宅を建てようとしています。余ってる金を利用者に返すのでなくて、自分たちの職員のための利益にその当てようとしている。そういう経営自身が問題なのんですね。

【記者】 上場しようと考えている中で、都営と一緒になると、利用価値が下がるという意見もあるが。

【副知事】 一部の証券会社がそう言っているが、都営は単年度黒字になっているので、返済の見通しもついてます。僕の『地下鉄は誰のものか』という本に書いてあります。「東京の地下鉄を考える懇談会」ですべて計算を出しています。今回、東京電力に公認会計士の樫谷隆夫さんを送り込みましたが、東京の地下鉄を考える懇談会に樫谷さんは入っていた。一元化すれば、むしろ、利用者の利便性が向上するので、株式価値は上がるだろうと見ています。
 
【記者】 そういう課題がある中で、二路線統合に向けて、東京都として国に対してどういうアプローチをしていくか、統合経営することによって、料金はどのように変わっていくのでしょうか。

【副知事】 話がちょっとそれるが、大阪の私営地下鉄の初乗り料金は200円なんですよ。大阪地下鉄を民営化しようと橋下徹市長が言っている。とりあえず初乗り料金を190円にしようと。都営地下鉄と東京メトロを一元化すると少なくとも基本料金は統一されます。160円か170円に統一された後、その上で乗り継ぎ料金がなくなります。乗換えると二重にお金を取られますから。今、乗り換えるといくら取られるか、知っていますか。

【記者】 70円引きです。

【副知事】 160円+170円で330円。そこから70円引くだけで260円になるのだよね。だから乗換えるだけで利用者は100円損するようになっている。ひとつの会社になれば乗り継ぎ料金なんていらないのだから。地下鉄経営は、そのぐらいの乗り継ぎ料金をなくしても経営的には一元化すれば成り立ちます。

【記者】 利用者には願ってもないですが、課題がある中で、経営統合に向けて都として今後どういったアプローチをしていくのですか。

【副知事】 東京メトロの既得権益なんですよ。東京メトロの前身は営団地下鉄と言いましたが、営団地下鉄の利権を残したまま株式会社という名前にしてしまった。営団地下鉄の利権を、そもそも、税金を一定額投入されて地下鉄はつくられたのですから本当の民営化ではない。したがって税金でつくられて利益が出ている部分については、利用者に還元しなければいけない。その利用者に還元しないで、自分たちの社員の給料にしている。東京の私鉄の中で東急とか西武とかあるよね。都営地下鉄もその中のひとつですが、東京メトロの給料はダントツで一番なのです。お客さんに返すべきお金が自分たちの給料になっている。
東電と同じところがある。東電の西澤社長は「値上げは権利である」と言ったが、この東京メトロも自分たちが高い給料をもらっているということについて、お客様がこんなに乗換に苦労していることについて、自覚が無い。6月27日に東京電力の株主総会に行きますが6月28日に東京メトロの株主総会に行きます。そこでさらに今後の一元化に向けて提言したいと思っています。とりあえず今日は、九段下のバカの壁が取れるということで穴が開いた現場を、見ていただきたかったということです。
 
【記者】 株主総会についてもうちょっと具体的なことをお聞きしますが、一元化に向けて何を提言してきたいと考えていますか。

【副知事】 とりあえずサービスの一元化というのは経営の一元化なくしてありえない。ということで経営の一元化に向けてさらに協議を継続するということで、もう一度、東京メトロの経営の中身について、たとえば具体的には西馬込の土地をどうするつもりなのだ。1ヘクタール以上、これを自分たちの福利厚生施設のためにつくるのか。公共性をどうやって担保するのかと。防災拠点にするとか、そのあたりを問いただします。

【記者】 国と都でやっている協議会も最近開かれていませんが。

【副知事】 大臣がころころ代わるから、開けないんだよ。

【記者】 副知事も東電の関係とかでかなりご多忙というところもあると思うのですが、少し、メトロと都営の一元化については、歩みが遅くなっているのではないかという気がしますが。

【副知事】 5人も大臣が代わったらね、決まらない。今日、小沢さんがどうのこうのと、やっていたから、そのうち選挙になるでしょう。新しい政権が出来たら一気に決着をつけたいなと思っています。
 既得権益を持ってる人たちから、既得権益を奪うのだから、もっと権力構造が変わらないとなかなか動かせない。安住財務大臣が「メトロ株を売る」と発言したが、よく知らないで言っている。本当は買うのだけどね。売るんなら売ってくれればいい。そしたら話は早い。国も財政がたいへんだから、消費税を上げる前に、売れるもの全部売れと言いたい。そしたら、メトロの株を売ったら東京が買います。ホールディングカンパニーをつくって、2つの会社が1つになっていくプロセスも、工程表をつくることができる。
 
【記者】 都としては、まだまだサービス統合を一元化に向けてやっていくということですか。

【副知事】 ちがう。僕は経営統合をやりたいが、5人も大臣代わってしまうようでは、いまの政権ではできないと言っている。もし消費税を上げるのなら、売れるもの売る必要に迫られるでしょう。

地下鉄の株を売る気あるのかどうか。それから、政権がいずれ近々交代するのなら、新しい政権の代表とか大臣と話し合って、一元化を一気に進めたいなと。株を購入すれば良いのですから。

【記者】 国交大臣が変わりやすい不安定な政権で、一番の障害は何ですか。

【副知事】 もちろん既得権益としての東京メトロとか国交省の役人が現状を変えたくない。現状を変えたくなくて、大臣がころころころころ変わっていると、それはなにも動かないということになりますからね。

いいですか。前原さん、馬渕さん、大畠さん、前田さん、そして今回の羽田さんの5人だよ。覚えられないくらいだろ。まとまるわけがない。既得権益、国交省や東京メトロにとっては大臣が変われば変わるほど、現状を改革できなくなるので、それは役人天国になる。

【記者】 サービスの一元化のためにも、どうしても経営の一元化が必要だという理由を、もう少し詳しく教えてください。

【副知事】 料金体系がひとつにならないでしょう。乗り継ぎ料金はサービスの一元化では実現しません。乗換えするときに、いま言ったように160円と170円で330円で70円引きの260円になる。100円くらい実質高い。

乗客は、乗り換えたくなくて、わざと大回りしたりする。乗換料がなければ、メトロから都営に乗ってまた都営からメトロにショートカットして、行くというふつうの乗換えになる。それは乗換え料を取られるのが面倒くさいから、ぐるっと回って大回りしている。大回りをすると、その分だけ乗車率が高くなる。混雑率が高くなる。

東西線では混雑率が200%という地獄の通勤ですよ。乗換えがもっと自由になれば、全体的に混雑率が減る。だからいまの二元体制のままだと、お客様サービスというのを本当に考えていない。

経営の一元化は最終的に料金体系がひとつになるということ。大回りしている乗客が、ショートカットできるところが、いっぱいあります。40分で行けるところを20分で行けたりする。料金を一元化して、改札を通らなくてよくなれば、ふつうのメトロだけの乗換えだとか都営だけの乗換えだとか、と一緒になりますから。そうするとショートカットするようになるのです。無駄な混雑が減るんですよ。860万人1日使ってますからね。それがぐっと乗換えやすくなる。

【記者】 あともう一点、歴史的にですね。都営が地下鉄事業に乗り出したのは、新線建設というのがあったかと思うのですが、これが一旦終わったということがあると思うんですけど。

【副知事】 大江戸線で終わったからね。だからこれで設備投資が終わった。東京メトロも副都心線で終わった。東京メトロが営団地下鉄時代、戦前からありますから減価償却も終わっています。これから入ってくる料金はみんな利益になってくる。都営は大江戸線もできて、単年度黒字を達成して返済の見通しも立っている。借金ずっと減ってますからね。だから今はチャンスです。

【記者】 都営地下鉄の赤字を埋めるにあたって、電鉄事業以外で、なにか埋める方法ってあるのですか。

【副知事】 別に電鉄事業は電鉄事業で埋めればいい。いまだって返済しているのですから。僕の本にグラフを載せておきました。見ておいてほしい。基本的に順調に返済は進んでいます。東京メトロ側は反論できない。給料は私鉄の中で一番です。当たり前だよね。都心だけしか路線もっていなければ、儲かるに決まっている。ふつうの私鉄だったら郊外と東京を結んでいる。そうするとあの、乗客の少ない路線と乗客が多い路線をまぜて、ひとつになる。

それを真ん中だけ回っている路線なんか儲かるに決まっている。しかし、設備投資のコストは、穴掘るっていうのはものすごく金がかかるから。普通の民間の私鉄ではできなかった。だから東京メトロと言ったって、税金をつぎ込んで穴を掘った。都営地下鉄も税金をつぎ込んで穴を掘った。しかも東京都が営団地下鉄の頃に、東京都自身が東京メトロに金をつぎ込んでいる。税金で早くつくならければならない時代だったのです。設備投資が膨大すぎて、私企業だけでは負担できない。そこは公共性があるのです。
ふつうの私鉄に比べたら。その分だけ利益が必ずある。ど真ん中を走っているのだから。

【記者】 一元化が実現したらですね。会社の形態としては民営化を目指すわけですか。

【副知事】 一元化して、まずホールディングにして、まず2つぶらさがって、それから統合していくというプロセスが必要だからね。その途中で民営化ということは出てくる。一気にはいかないが。
 
【記者】 2つになったその成り立ちからして統合ということがあったかと思うのですが。そのへんの話をもう一度お教え願えますか。

【副知事】 昭和31年に都営線をつくれと国が答申したとき、2つあるように見えるが、それぞれ金を注ぎ込んでどんどん造れと。そして将来は「あたかも同一経営主体」にするようにと書いてある。当面は、交通事情が急迫しているから、それぞれの主体でとりあえず掘らないと、営団だけでは間に合わないから都営もやれということですね。

そもそもの大きな都市計画ではひとつだった。当時の運輸省の審議会では、いま別々に新しく都営を掘らせるが、将来ひとつにすると書いてある。いまはメトロ法という法律で民営化し独立したかたちになっているが、本来の姿に戻すべきです。

しかも大江戸線もできて10年経つ。債務も順調に返して、もう完全に自分たちだけで返しきれるということが見えた。2年前から一元化の話になっている。「都営の赤字をメトロにつけまわす」という、言い方は、メトロ側のネガティブキャンペーンであって、財務諸表等を見ていただければ、充分に合併して、返済できると、都営自身が単独で返済できるという状況であります。

(了)

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