2月27日夕、中部電力の執行役員が副知事室に。「現在は非常事態。需給が安定したら(供給契約を)提案したい」記者会見速記録。
○ 2012年2月27日(月) 18時35分~19時
○ 都庁 猪瀬副知事室
○ 中部電力(株) 渡邉穣取締役(専務執行役員・販売本部長)、
清水成信執行役員(販売本部・法人営業部長)
岡部和彦執行役員(東京支社長)
東京都 猪瀬直樹副知事
【副知事】 東京の、東京都庁舎、新宿の都庁舎は、東京電力と1キロワット時あたり12.8円で契約しています。契約電力でいうと1万1千キロワットですね。これが17パーセント上がると、だいたい1億円くらい値段が上がることになります。それは、それとしまして、東京電力ではなくて、中部電力から購入することもできるはずなので、中部電力と相談して、今日もまた、その話をしたんです。
基本的には、中部電力は関西電力や九州電力に送らなければいけない電力がかなりあって、緊急時であるため、東京電力管内に送る余裕がちょっと今はない。でも将来、その需給体制が整えば、東電管内でも電気を販売することはできるということを、今、確認したんですね。つまり、電力の、九電力の壁を越えて電力を販売することは、できるんだということです。
ある電力会社が、突然、高い値段で、電力を販売したということになると、他の電力会社が代わりに、そこに供給することは、理論的には可能ということです。しかし、関西電力は、50パーセントも原発の依存率が高いですね。5割です。それから、九州電力も5割に近い。
そこで、関西電力と九州電力は、この夏、乗り切れるかどうか、電力使用制限令が出るかわかりませんが、出ないで乗り切るとしたら、中部電力から供給するしかないだろう。だから今回の契約は、ちょっと無理だということになりましたが、将来、可能性は残っているということを、今、話し合った。では、中部電力の専務執行役員で販売本部長・渡邉さんです。
【中部電力】 渡邉でございます(写真中央)。有難いお話を、先週いただきまして、今日、私どものご回答ということで、お邪魔をした次第でございます。今、仰っていただきましたように、西日本エリアが今、非常に、非常事態とも言える状況の中で、すぐにお応えするということは、いたしかねますということで、ご回答させていただきました。しかしながら、仰られたとおり、需給バランスが安定した状態の中では、私どもも選択いただけるようなご提案ができればと思っております。そのようなお話で、当面、今の状況、非常事態の下では、申し訳ございませんが、有難いお話ではございますが、まずは西日本エリアの安定供給に全力を尽くしたいということで、お話をさせていただいということでございます。
【副知事】 質問ありますか。
【記者】 読売の小林です。大口の東京都だけではなくて、都内には、たくさんあると思うのですけれど、まず、こういった都の動きが出ますと、他にも同じように中部電力さんから買いたいということも、出てくるかと思うのですけど、その場合ですね、優先順位というか、そういったものは、あるのでしょうか。
【副知事】 まず大事なことは、東京都が、そういうことが論理的に可能だという提案をしない限り、ふつうの会社は、たぶん、そういう申込みができない。東京電力が怖くてですね。そういう申込みすら、考えたことすらないと思います。ですから、東京都が中部電力から買えるんですよという話をやって初めて、今、あなたが言ったような競争が出てくる。
そのときには、当然のことながら、中部電力が提示する価格と、東京電力が提示する価格が、どちらが、会社にとって、得するのかということ、需要側は自分で考える。そういうことで、おのずから市場価格で決まっていくのではないですかね。
【記者】 それでは、とりあえず、都が買うという前提で、まず話を進める。
【副知事】 東京都しか、そんなこと言えませんよ、東電、怖くて。まずね。
【中部電力】 私どもでもですね、東電の値上げを契機に、中部電力から送ってもらえないのか、というお話は何件か頂戴しました。先ほど申し上げましたとおり、まさに西日本エリアの非常事態という足元の状況の中では、難しいですということで、ご理解を頂戴しているというのが、現実でございます。
【副知事】 どのくらいあったんですか、そういうの。
【中部電力】 10件くらいございました。
【副知事】 なるほど。面白いじゃないですか、それ。
【記者】 早いもの勝ちみたいになってしまわないか。
【副知事】 それはだって、いまのPPSに対しても殺到していますから、市場価格は上がる。それは市場の論理としては、それでいいんじゃないんですか。それは、だから、中部電力から適正な価格を競争で、勝ち取るということではないですかね。今だって、個々の会社は、それぞれ東電と交渉している。ここは、いくらにしてほしいとか、そういう競争をしているわけですから、問題は、そういう市場が拡がれば、新しい、例えば中部電力でも、東京電力の管内でも、供給するだけの発電会社が増えていく可能性も出てくる。それによってまた電力の安定供給につながるというか、そう考えるんです。
【記者】 時事通信の小嶋と申します。今回、中部電さんの方から、こういう話を受けて、今後の都庁舎のですね、電力の契約というのは、どのような契約をされていくのでしょうか。
【副知事】 現在、東京電力の一律の値上げというのは、問題があると言っている。で、まずは、先日お示ししましたが、東電側の経営合理化がきちんと、なされた上で、値上げをするという論理構成なわけですよね。経営合理化は、きちんとされていないではないかと問題提起した。ですから、経営合理化をきちんとしてもらうということを、さらに、もう一度言い、そして中小企業も大企業も役所も一律ではなくて、中小企業に対する配慮を、きちんとしてもらわないと、困りますよと、このまま契約できませんよと言っている。
【記者】 今回は、中部電の方とは契約はしないということですが。
【副知事】 だから、今、渡邉専務が仰ったように、需給が安定したら、いつでもやりましょうという話なんですね。今、関西が原発5割の比重で、止まってしまっているから、九電も約5割ですから、そちらに送らないと、東京都に送る分は、ちょっと出せないということ。現状ではね。
【中部電力】 現状でもですね、私ども、管内のお客様には節電のお願いもいたしておりますし、関西に応援している一部の融通原資は、管内のお客様の自家発の焚き増しというご協力の下にですね、今、西に送れているという状況でございます。そういった状況が、なくなった暁にはですね、私どもとしても、最大限のある意味、競争ですので、提案をさせていただくということだと思いますが、今は少なくとも、そういう状況にはない。非常事態であるということで、今回のお話は、当面、無理でございますというご回答をさせていただいたということでございます。
【副知事】 中部電力もね、東京に支社があるんですから、どんどん営業してくださいって言ったんですけどね。はい。
【記者】 すみません。テレビ東京の青木と申します。。10社ほど、お話があったということですけれど、具体的には、どういったところから、どのあたりの地域からという。地方だけでも。
【中部電力】 個別の企業名はご容赦いただきますが、例えば、私どものエリアに工場をお持ちのお客様で、東電のエリアに、事業所をお持ちのようなお客様が、この事業所に送っていただけないかという要請も、当然ございました。
【記者】 現実として、中部電から東京に送ること、都庁に送ることは、可能ということは、この災害が起きるまで、そういったことが、動かなかったのは、副知事、どういったこと。発想に誰も至らなかった。
【副知事】 ただ、九電力体制というのが、非常に固定化されていたということですけれども、2005年の自由化のときに、それは可能であるということは、はっきりした。九州電力が中国電力管内の広島県のジャスコの一店舗に電力を売ったんですね。その前例がありまして、しかし、それ以上、拡がらなかったのは、おそらく電気事業連合会とか、そういうところで、変なことしちゃいけないんだという、申し合わせみたいのが、あったのではないかと、ちょっと思うのですが。これは、わかりません。ただ、こういう、今、電力危機のような状況になったら、本来の自由化の姿が、これから生まれるのではないかと思っています。
【中部電力】 電気事業者として、ご回答申し上げますが、他電力の状況については、私ども、わかりませんけれども、中部電力、私どもの会社は原子力比率も低うございますし、CO2という環境性が随分言われている中で、CO2のパフォーマンスもあまり良くない。とても、この自由化の中ではですね、むしろ、逆にお客様の離脱というのを非常に脅威に感じて、従いまして、価格以外のところで、いろいろ電気のご使用やエネルギーの効率利用のようなところで、一生懸命、ソリューション提案をさせていただいたりといったことで、何と言うか、管内のお客様に、私どもの電力をご選択いただけるようすることで、今まで努力をしてきた結果として、私どもは、域外に出る余裕がなかったということでございます。自由化されている世界というのは、少なくとも、域外供給ができないとか、そういうことではございません。
【副知事】 まあ、ですから、今日の結論は需給が安定したら、いつでも契約しましょうねという話し合いで。
【中部電力】 合意というか、ただ、私どものお示しした条件をお飲みになればということでございますけれども、はい。
【副知事】 もちろん、都庁もね。中部電力が普通の状態になった場合に関西電力や東北電力から見積を取ることもできますよということなんで。東京電力だけが勝手にどんどん値上げすると、そういう競争が起きてきますよということですよね。で、やっぱりその電力会社も、最初に申しましたが、経営合理化をきちんとしてもらった上で、値上げをするんだということをはっきりしてもらわないと困りますよということと、西澤社長が「値上げは権利である」と言ったのは、それは競争を前提にして言っているわけですから、今回、中部電力、競争参入いつでもできますよということが分かってくれば、そういう「値上げが権利だ」って言えるんです。実際には、それが出来ていない状況のなかで「値上げが権利である」と言うのはおかしいですね。
【記者】 NHKです。たぶん、中部電力さんに、確認ですけど、先ほどから関電管内、九電管内に電気を送ると仰っていて、浜岡が止まっていることによって中部電のエネルギー供給力が低下しているっていう、そういう背景はあるんでしょうか。
【中部電力】 当然ございます。
【記者】 それは今日説明なさった中にも含まれている。
【中部電力】 はい。
【副知事】 中部電力の原発依存比率は1割ちょっとくらいですかね。
【中部電力】 私どもは1割強でございます。
【中部電力】 昨年の夏、浜岡が全台停止いたしまして、非常に需給状況が厳しくなった状況だったのですが、そのときには、休止火力を起ち上げたり、夏の火力機の補修をずらすなどして、供給側を増やしていたのですが、その一方でお客様に節電をお願いし、それから特にあの、自動車工業会様を中心に、自動車産業の方に土日に、木金の、シフトしていただく、操業振替をしていただくことで、何とか昨年夏を無事乗り切ることができた。これ、かなりのご負担を強いた状況でしたので、私どもは、まず今年の夏、そういう状況で、ご要請することはどうしても回避したいと。その上で、当社のエリアで安定供給を維持した上で、さらに次は西日本全体の安定供給に、しっかり万全の体制で応援していかなくてはいけないというように考えておる次第です。
【副知事】 だいたい、いいかな。
【記者】 一つ、都庁舎は8000キロワットと言いましたか。
【副知事】 都庁舎1万1千キロワットなんですよ。で、東ガス系のエネルギー・アドバンスから3,000キロを供給される予定が、まだ、すぐじゃないんですけども、あるので、8,000キロ分と言った。ま、基本的には1万1千キロワットなんですね。
【記者】 それは、もう東電から供給を受けないということですか。
【副知事】 いやいや、それはだから、中部電力と交渉したのは、こちらと早く契約したいなと思ったけども、中部電力は、今のところちょっと電気が足りない、送る余裕がないということだと、東電と話し合うってことになりますよね。あと他の東北電力と話し合ってもいいですけどもね。
【記者】 基本的には東京電力から供給を受けない選択肢を模索しているということですか。
【副知事】 同時に、やっぱり中部電力と交渉することもできるんだよということを、東京電力に、値上げについて、経営合理化をしなければ、他のところと契約できるんだという、論理の問題ですから。値上げするにも、経営合理化して、そして足りない分を値上げにするんだという、それも論理ですから。経営合理化が不充分であるならば、それは、値上げの根拠が一定程度崩れてくる。
【記者】 交渉材料にしていくということでしょうか。
【副知事】 いや、もうちょっと、やっぱり将来の電力需要、電力供給をもっと安定的なものにするためには、全国の送配電網が一つのネットワークで機能すると、もっと安定供給になるんじゃないかと、構造的な改革の見通しを、僕としては考えたいなと思ってるんですけどね。
【記者】 問題提起の一つ。
【副知事】 はい、問題提起になりますね。
【記者】 すみません、東京MXテレビなんですけども。中部電力さんにお伺いしたい。需給が安定したら供給可能ということだが、周波数の技術については、これは問題がないということになりますでしょうか。
【中部電力】 物理的な制約が、まったくないというわけではございませんが、容量の範囲内で供給させていただくってことは可能だと考えています。
【副知事】 今、変換所の容量が103万キロワットで今年中に120万キロワットに少し増える。それはファクト。
【記者】 そもそも論としてその場合は、東電の送電線使用料というのは、やはりお支払しなくてはいけないと思うのですけれど、それでも東電の値上げ分よりも価格としては低く設定できるってことでいいですか。
【中部電力】 いや、それは今、確たる自信があるわけでもなんでもなくてですね、私どもの発電にかかる費用とか、営業にかかる販売費用みたいな、ネットワーク以外のところの費用に、東京電力のネットワーク・コストをオンした形で、ご提案するという形になりますので、私どもの発電コストと営業コストが、東電さんの発電コスト、営業コスト、どっちが優位なのかということは、私どもにはわからないので。私どもで、最大限、発電費の営業コスト、ネットワーク以外の費用を効率化努力をして下げた上で、ご提案をするということになると思います。
【副知事】 ネットワーク・コストは一緒。
【中部電力】 ニュートラルなんですね。
【記者】 その分、東電に対する支払分っていうのはある。
【副知事】 ええ、同じなんだ。
【記者】 そうすると低く、常識的には低く、低い価格で提供できるということですね。提供してもらえるってことですね。その値上げ分、
【副知事】 だから中部電力がきちんとしたね、あの発電コスト、かなり安くできるのであれば、東電に対して、優位に立つということです。ネットワークは同じなんですね、その部分は。
【記者】 その場合はやっぱり供給量に100万キロの上限があるとすると、中部電力としては、常識的に考えて、安い方が良いと思うんで、たくさんの会社からのオファーを、相対で、どう交渉するのでしょうか。
【中部電力】 相対ですので、いちばん条件の良い所とご契約させていただくということはふつう、競争の世界の常識的な行動だと思います。
【副知事】 別に電力の変換がね、今年の秋までに120万キロワットというけど、そんなのどんどん作ればいいんですよ。別にね、関所を別に広くすればいいだけであって、今の技術ならば簡単ですよね。それをあたかも難しいことのごとく言ってきたんですよ。その家電販売店で、冷蔵庫買って、どこに持ってっても使えるでしょう。そういうことも含めて、いまの技術で克服できるところいっぱいあるはずで、変換もじつはかなり技術的には、昔、言われていたような難しいことじゃないんですよ、本当は。
【中部電力】 いや、まったく、工場なんかでお使いのね、電動機あたりは、やはり60サイクル仕様と、50サイクル仕様では、設備更新していただく必要もあるので、統一っていうのは、私ども含めて、お客様設備側もですね、やはり、それなりの設備投資がいるという理解を私どもはしてますけど。
【記者】 産経新聞です。中部電力さんに、質問なんですけど、単純にエリア外に送電する場合に、上乗せになるコストって何、どういったものでしょうか。
【中部電力】 エリアの、私どもが管内に供給する料金とエリア外に供給する場合とでは、私どもの流通設備の費用と、今回の場合ですと、東京電力さんの送配電の流通設備費用が変わってくるということですよね。
【 記 者 】 基本的にはそれだけということですか。上乗せになるのは。
【中部電力】 はい。
【中部電力】 私どもが発電をして、あるいは販売をするようなコストに、東京電力さんのネットワークを使わせていただきますので、その使用料を、これはじつは東京電力さんの料金、小売りの料金の中の一部にも、入っているんですね。同じなんです。この費用と、あとは私どもが東京電力さんのエリアで、例えば都庁さんで送り届けるためには、きちんと需要の変化に合わせて、お送りするように、そのバランスをとるためのコストは追加で必要になると思います。責任ある供給者としてはそこまでです。
【副知事】 そこはPPSと一緒だから、ということだね。
【中部電力】 一緒です。
【副知事】 基本的には内側に入ってるってことですよ。ネットワークは。だから同じ、だからさっきも言った、競争力は、ネットワークは一緒なんで、そのコストは。競争力はだから、発電のコストとかその他いろいろ諸々の、経営の合理化ができているコストがどのくらいかっていうことの差だけですよ。
【記者】 PPSと同様に、中電の方も同じ託送料がかかるって考えたらよろしいですか。
【中部電力】 そうです、そうです。お考えいただいて結構です。
【副知事】 だから中部電が販売しているものと東電が販売しているものと同じような価格になるってことですよ、表面の価格は。だから新たに、そこに乗っかるてことではないんです。はい。
【職員】 そろそろ。
【記者】 すみません、東京新聞ですが、今まで九電力会社の地域独占体制が事実上、自由化後も、ずっとつづいてました。今後は中部電力としても、域外に契約を広げていくことには、魅力は感じているのですか。
【中部電力】 私どもがですね、経営効率化等を通じて、競争力ある価格水準なりご提示できるという自信を持てば、それは自由の世界なので、そういう企業行動を取るということは、ありうると考えております。
【記者】東京、首都圏には大きな企業がたくさんあると思うのですが、これは魅力的なマーケットではあるんですか。
【中部電力】 それはそうだと思います。ですから、魅力的なマーケットであるからこそ、PPSさんも、随分、需要確保をして、されてるんだと思いますけれども。
【副知事】 じゃ、いいですね。はい。どうも大変ありがとうございました。
【中部電力】 ありがとうございました。引きつづき、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
(了)
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