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2011年12月20日 (火)

東京天然ガス発電所は世界初!排熱利用の「野菜工場」。発電所を迷惑施設でなく集客施設に。

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 東京天然ガス発電所プロジェクトチームの第3回会議。

 発電所をつくるためにまずは専門家(シンクタンク)を交えてフィージビリティスタディをスタートしている。今回の会議は、僕の隣に経営共創基盤の代表取締役CEO冨山和彦さんにもアドバイザーとして参加してもらった(上の写真)

 このプロジェクトの面白さは、東京都が地下鉄、上下水道、病院などの社会インフラを担う大口需要家だからだ。病院も、下水道のポンプ場もそれぞれ東京電力と電気契約を結んでいる。いったいどれだけ、どうやって電気をつかっているか、その実態調査をやってはじめて見えてきた。東電は顧客のデータをとると言いながら、じつにいい加減なデータ管理をしていたのである。

以下は会議のあとの記者会見の速記録。

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(猪瀬) 会議で資料は全部公開にしちゃったから分かったでしょう。だいたい。きょうの会議で、契約電力500kW以上の都庁関連施設の一年間(2010年)の電力使用データを取りまとめた。正確に言うと、267施設データを取った。このホワイトボードには、典型的な6施設についての、そのパターンの違いを示しています。267施設のうち20施設は、東電はまったくデータをつくってなかった。

 都庁本庁舎型のパターンっていうのは、当然、こう昼間ピークがあって、これちょっと昼休みが減ってるのが面白い。で、病院の場合は、24時間、医療をやっているから、夜も高く、結構、使っています。水道局の場合は、水圧をかけるので朝方にグーンと電気使用量が上がっています。建設発生土再利用センターは、24時間電気使用量が多いが、交代の時間があってさがる。

Img_4098  下水道局は一定である〔写真左〕。交通局、都営地下鉄です。これは朝のラッシュ時に急激にあがる。

 東京電力の送配電網が、有価証券報告書の電気事業固定資産で見ると、5兆2千億円ある。原子力・火力・水力の発電関係の資産が、2兆4千億円なんだ。電気事業固定資産の7割がじつは、送配電網にある。ここが大事で、発電所が7割だと思っている人が多い。ですから、発送電分離と単純に言うけど、じつは東電の本質は、この系統にあるわけ。

 極端なこと言えば、送配電ネットワークを高速道路にたとえたら、発電設備はサービスエリアみたいなものだ。ネットワークが東電にとってその本質的な部分で、それにどうこれから公共性を持たせるかがポイント〔右下の図を見てください〕

“東京都電力”があるとしたら、このPPS発電所として、つまり天然ガス発電所を東電のネットワークに繋げ、小売もやるということ。あるいは、IPPとして、つまり東電への卸売すればよい。PPSの場合は小売もやる。その場合に、東電が、30分同時同量というのを義務Photo_4 付けているわけ。例えばここで、100万kW発電したら、ここで100万kWの需要が、30分毎に必ずなければいけないと。3%くるったら、通常の3倍の料金、つまり罰金だよと。厳しいから、新規参入を入りにくくしていた。東電が送っているお客さんというのは、どこかでリスク分散されて、系統が安定している。東電は、「どんなところにも電気を切れ目なく送ります」ということが独占企業の根拠。

 新規参入したPPSに対しては、ちゃんとこの系統の安定に責任持てますかと問う。だから30分毎に需給データをきちんと取りなさいよと。それで、ちょっとでもズレたら、3%以上ズレたら罰金取りますよ。威張ってるところなんですね。ここは、東電のいちばん大事なところである。

 今回分かったのは、都庁関連施設のデータが30分毎に全部揃ってたかというと、267施設のうち、全く取れていなかったのが20もある。それから、一部取れていないのも相当数あった。東電にかなり厳しく、言いました。お客をなめるんじゃないよと。

 Img_4104 これだけの厳しい要求をしていた東電が、じつは、需要家に対してはデータの収集というか、チェックをきちんとしてなかった。この集計は、たいへんな労力をかけた。これはね、267施設の全部、この折れ線グラフは1日が1本の線になっており365日、4つの季節のパターンに整理したが、30分毎に全部データをもとにつくった。そういう緻密なデータを作ることによって、東電の問題点が出てきている〔左上写真は会見でグラフを説明しているところ〕

“東京都電力”がやるとしたら、このPPSであり、あるいはIPPでしょうから。そういうときに送電網に対して、どういうコスト分析をするか、この送電網自身の分析もしていかなければいけない。国が今、いろんな検討会議作っているが、具体的な提言は、こういうデータがあるから言える。

 発電所というのは、迷惑施設だと考える人がいるが、垂直のタワーですけども。Vertical Farm。コロンビア大学が、中東に提案している野菜工場のサンプルです。火力発電所の煙突に、これを設計上、うまく、野菜工場のユニットを嵌めていくと、こういう例えばのイメージができあがる(コロンビア大学のデザインはこちら )。

 野菜工場を、廃熱を利用してつくることができる。観光名所になるということと、東京は、2020年までにCO2を25%削減すると、目標を掲げて行動しているが、火力発電所というものが、廃熱を利用した野菜工場という側面を持てば、環境にも貢献する。これもフィージビリティスタディのコスト面に反映させていく。

(記者) テレビ東京の青木です。さっき、おっしゃったデータというのは、20を覗いて260すべてのデータがすべて入手できたのでしょうか。

(猪瀬) 267全部をデータを要求したが、一日分もデータがない施設が20あった。また1箇月分欠損とかもあった。もちろん工事で1箇月抜けるということはあるが、記録を取り忘れていたとか、非常に初歩的なミスみたいなのも、いくつかある。

(記者) 年度内の報告書というのは、どういったものになるのでしょうか。

(猪瀬) 採算性の分析と技術的な分析を含め、年度内に出したい。例えばね、技術的にもあのタービンの燃焼温度が1500度とか、あるいは1600度、1700度が届くところまできています。発電効率は、川崎の天然ガス発電所は、58%だったが、60%を超えるものも出てくる。変電所に接続するためコスト、パイプラインからガスを引っ張ってくるコスト、これらが採算性に関わってくる。もちろん燃料のコストってあるが、天然ガスの燃料のコストは、他の発電所と、だいたい皆同じになりますからそこには大きな差が出てこない。技術的なスキームもあれば、その事業スキームもある。どのくらいの大きさで、どうしたら採算性が合うかということですね。

(記者)5つの候補地の中で、絞り込みはされるのでしょうか。

(猪瀬) それぞれの候補地のうち、こちらはパイプラインが近いが、こちらは変電所が遠いとか、あるいは、既存の共同溝を使えるかどうかとか、いろいろな形で考え、差を出してみようと考えている。

(記者) いまのお話に関して、事業スキームを東京都として、今年度末までに固めるという、そういう理解で、よろしいでしょうか。

(猪瀬) もちろん、そうですね。もう1つは、冨山さんも言っていたが、国の検討会が、これまだ2~3年動きがあると、ただ独立系の発電所は、市場ではたった2%しかなく東電に対して、発言力があんまりない。そこで東京都側から国に対して、このネットワークのあり方について、問題提起をしていく。その中で、そのいくつか採算性の項目で変わっていく要素もある。そこも変動要因として入れていきます。いまのまま2~3年、このネットワークの託送料が、同じではないでしょう。これから、東京都は、この問題を提起していきますから、そこが変わっていきます。

(記者) 先ほどの会議の中で、フィージィビリティ調査というお話がありましたが、我われ記者が出た後、その辺のお話もされたのですか。

(猪瀬) これから数字を入れていくわけですね。ただ今の、だいたい、今言ったようなことです。

(記者) このVertical Farmというのは、野菜を作って売ることで、ガス発電所の収入として、利用するというようなイメージなのですか。

P1010900 猪瀬) 2つある〔写真右〕。1つは、いままでなぜ福島にある原子力から東京に電力を送られてきたかというと、東京周辺にその迷惑な施設は置いてもらいたくないということがあった。実際に、火力発電所も千葉側とか、あるいは神奈川とか、そういうところが多い。あるいは川崎の工場地帯とか。しかし、地産地消の考え方では、東京の都心に接近するよね。

 よくあるのは、“迷惑施設だ”という主張。電気をいただいているにも関わらず、福島から送ってくればいいんだという考え方。そこから思想が変わった。そうすると、地産地消ですから、消費者に近い場所に、発電所ができると、その場合に、いままで迷惑施設という考え方をしているけれども、そうじゃないでしょうと、ということで、お台場に観覧車があったり、葛西臨海公園に観覧車があったりして、あの海の近くは綺麗だなと。

 その観覧車のイルミネーションは綺麗ですよね。野菜の工場は当然、煙突の排熱を利用するという意味で、コストの問題に関わってくるが、イルミネーションがつけば東京の新しい観光名所になる。集客施設になります。発電所の野菜の工場は、世界的に有名になりますね、間違いなく。夜は綺麗に電気が点く。もちろん、LNGの電気で、そして、この排熱を利用して、で、一定のコストを、きちんと賄える。こんな感じですよね。これはあくまで、イメージ図です。それから、ある一定の部分を、市民菜園にしても、都民菜園ということも、周辺で、この近くで、どこかに組み込むもできますが、新しい発電所のあり方だと思います。

(記者) これ、あのフィージィビリティスタディとか、設計段階において野菜工場を組み込んだ設計とか、フィージィビリティスタディだとかで、それを今後、検討を始めるという理解でいいですか。

(猪瀬) コロンビア大学で、たぶんカタールだと思いますが、これは発電所じゃない。暑いところで、中東のタワーをつくって、水を効率よく流すということでの植物工場なのです。今回考えたのは、発電所の煙突の側面でうまく排熱利用すれば野菜工場ができるだろうと。

(記者) 今日のPTで公開された送電網の公共性の高さを表す数値(送配電設備の資産が電気事業資産の7割)と、公表されたデータを実際どのように東京天然ガス発電所の今後の検討に活かしたいとお考えですか?

(猪瀬) 先ほど冨山さんも言ったが、「発送電分離」と簡単にマスコミは言うけど、電気事業関連資産の7割にあたる送配電網が東電の本質であれば、その7割に、どういう別の公共性を持たせるかという議論をしないといけないんじゃないのか。「発送電分離」といえば何か片付いたような気分になる人が多いのが、そういう問題じゃない。以前から僕は発送電分離とは言わず、「電力市場の弾力的な運用」と言っている。その弾力性をいかに持たせていくか、具体的に“東京都電力”をつくることによって、変えていく。

(記者)つまり天然ガスだけじゃなくて、今後、すべての新しい発電事業で自由に使えるような送配電網をつくると?

(猪瀬) いや、原子力と水力は、もう東電です。原子力は国がやったらいいと思う。要するに火力ですよ、競争するのは。

(記者) 30分データが東電が蓄積している必要があるのかよく分からないのですが。

(猪瀬) これは東電として蓄積している必要はあると思います。なぜなら、我われ需要家が、どう電力契約をするかというとき、どういう需要曲線があるのかということを知る必要があります。電力契約をする場合に、需要家が情報をやっぱり求めていい。

 例えば、これ東電じゃない会社があったとして、東電じゃない会社に需要家が契約を結ぶときに、こっちのデータと比べますよね。ですから、需要家としては電力契約の中でより安い契約を結ぶためには、こういう、こちらで30分ごとにやっている訳ですから、こっちも30分ごとにきっちりやっているはずだろうと当然考えますから。そしてそれに対する開示を求めて、そして確認することは必要だと思います。

(記者) 冨山さんが言っていましたが、公共財だから東電としては、他の会社に渡したくないデータだろうが、そういうデータでも他のコストと比べるようなデータは出すべきだし、出せないとおかしいということでしょうか。

(猪瀬) そういうことですね。東電は今回、初めて言われた。データは全部そろっていると錯覚しているわけですよ。「うっかりしてました」「本来やっているはずでしたが」という弁解が返ってきた。だから、彼らはこれをやっとかなければいけなかったという認識はある。ちょっと自分たちも油断していたなという感じでいる。独占企業の要するにずさんさというか、ガバナンスのずさんさが、今回、こういう要求、今までなかったんで、こういう要求することによって、見えてきた。ちょっと深刻な顔していましたよ。

(了)

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