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2011年12月

2011年12月21日 (水)

橋下大阪市長と会談後、橋下市長ぶらさがり会見(猪瀬退席後)

◇2011年12月21日(水) 18:10~18:35(東京都庁第一本庁舎2階)

Dsc03994 【記者】先ほど、猪瀬さんがですね、東電、関電に関して、問題提起をしていきたいということでしたけれども、具体的な内容をちょっと教えてください。

【橋下大阪市長】いや、具体的な内容はもう株主権行使をしようと、あの同じように株主提案権をしっかり行使しようということですね。まあ、中身については、猪瀬さんの番組で、なんでしたっけね、いつもやっている猪瀬さんの番組、なんでしたっけ、ちょっと東京都庁の方に確認していただいたらいいんですが、副知事の部屋で撮った番組があるんですが、そこでいろいろしゃべりましたので、はい。まあ要は、電力供給体制をどう強化するかという、そこで大体、あの方向性、ここは番組のなかで議論して大体方向性、確認できましたから。東京と連携をとりながら、東電、関電で、同じような内容での株主提案権、やります。

【記者】常々、主張されている発送電分離の。

【橋下市長】そうです。まああの、猪瀬副知事は発送電分離という言葉自体、もうちょっと具体化しなければいけないと言っておりますけれども。まあ、基本的にはそうです、送電網のインフラを、これを今の地域独占のこの地域の枠組みでは送電網線のこのインフラの地域が狭すぎるのでね。東日本、西日本、50ヘルツ、60ヘルツぐらいのところまで、2つぐらいに分けてですね、送電網線のインフラをもうちょっと広域に広げると同時に、そこへのアクセスをとにかく自由にさせる、というこの方向性を確認した上で、そのために今何をやらなければいけないかという、まあそういう提案権の内容になるんじゃないでしょうかね。まあこのあたりはもう、猪瀬さんはあのような方ですから、ご自身でいろいろ勉強されて、いろんな専門知識を積まれていますが、僕はこれ持ち帰って、今度は府市統合本部のまあその株主提案権行使の部隊に提案の中身を、猪瀬副知事と連携をとりながら中身を固めていきたいですね。

【記者】それ、時期は6月の。

【橋下市長】6月の株主総会ですね。

【記者】これもまた東京都はガスコンバインドの発電所をですね、建設を検討してますけれども、関西連合でも橋下さんいつも、これから検討ですかね、仰ってますけれども、それはどういう風に関わってきますか。

【橋下市長】これもやり方を今日、いろいろファンドの作り方とか、東京都が考えているやり方も、これ教えてもらいましたから、これも東京都と同じようなやり方、それが参考になるものであれば、大阪でもしっかりやっていきたいです。大阪市の夢洲地区で、これガスコンバインドのその事業者の公募手続きにもう入っていますから、大阪市内のエリアにとどまらず、和歌山に用地がありますのでね、そこも含めて、大阪全体で、関西全体で、新型火力のその誘致というものはやっていきます。これも東京都と同じですけれどもね。

【記者】歩調を合わせてという。

Dsc03995 【橋下市長】そうですね、はい。いずれにせよ、これはもう電力供給体制を一からつくり直さないと駄目ですねというところが、猪瀬副知事との共通認識でありましてね、日本全体の電力供給体制を強化するためには、今の一社独占体制、地域独占体制、そして原発に過度に依存する体制ではなくて、送電網をもう少し広域インフラに広げて、東日本、西日本ぐらいでまとめてですね、この送電網に、送電網インフラに、今度は発電事業者が自由にアクセスできるような、そういう形で発電事業者の競争を促すという、この方向性で、日本の電力供給体制、一から作り直すほかないんじゃないでしょうかね。

【記者】あの、市長はですね、当選終了、当選の日の会見でですね、年内に国政のほうが、この結果を受けてどう対応するか見極めたいとおっしゃりました。で、今日で東京の状況を見て終わりだと思うんですけど、この3日間を総括されてどうでしょうか。

【橋下市長】いやあの、繰り返して今の都知事との対談番組でも話させてもらいましたが、僕は大阪市役所の所長ですから。これはローカル市役所の所長なんですね。ですから、自分のその、立場をわきまえなきゃいけませんのでね、国政云々ということに関しては基本的には国会議員の皆さんの活動だと思ってます。まあ僕があんまりとやかく言うことではないと思うんですが、ただあの、永田町の皆さんに色々お話をさせて頂きましたら、みなさん快く大都市制度については検討していくというお返事をいただきましたので、まあ非常に心強いですね。

【記者】すいません。先ほどの株主提案のところなんですが、これは石原都知事も了解されてることなんですね。

【橋下市長】ああそうですね、はい。

【記者】あの、原発依存度の低減ということも、東京都と一緒にやる株主提案の中には入ってくるのでしょうか。

【橋下市長】どうなんでしょう。そこは猪瀬副知事がどのようなメッセージを入れられるかは、ちょっとわかりません。最終ゴールのところは、はい。

【記者】石原都知事と、発送電分離については、少なくとも株主提案を一緒にやっていきましよう。来年6月の株主総会で一緒にやっていきましょうというのは合意できたということでしょうか。

【橋下市長】いや、石原都知事というより、猪瀬副知事と話をしましたが、まああとは猪瀬副知事は知事の了解済みというふうにおっしゃられてましたのでね、そこはもう皆さんの取材にゆだねますが、僕が今日話をして合意をしたのは、猪瀬副知事とですね。

【記者】大阪と東京で連携してやっていく意義というのは何なんでしょうか。

【橋下市長】いや、それは東電でも株主総会、関電でも株主総会でね、それぞれ自治体が株主提案するというのは、これは最終的には株主提案権、可決しようと思えば株主の50%超の賛同が必要なわけですから。最後は多くの株主に賛同していただけるかどうか、まあそういう意味では、あの、東京でも大阪でも、まあこれは大阪単独でやったらね、また僕の、なんていうんですか、ちょっとおかしな政治活動の一つととられかねないですけども、東京もやるんだということになれば、これは決して僕の独断と偏見のおかしな行動ではなくて、まあ先を見た、ひとつの行動なんだということを理解していただけるんじゃないでしょうかね。猪瀬副知事と石原都知事が、同じ方向性で行くということになればね、それは株主の皆さんに対するメッセージ力や理解していただくその、力といいますかね、説得力というか、これはもう全然違いますよ。僕が単独でやったら、また橋下がパフォーマンスでやってるって受け取られますけども、石原都知事、猪瀬副知事が一緒にやってくださるということになれば、僕自身の個人的なパフォーマンスとはもう取られないんじゃないでしょうかね。

(以下、略)

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2011年12月20日 (火)

東京天然ガス発電所は世界初!排熱利用の「野菜工場」。発電所を迷惑施設でなく集客施設に。

Img_4092_2

 東京天然ガス発電所プロジェクトチームの第3回会議。

 発電所をつくるためにまずは専門家(シンクタンク)を交えてフィージビリティスタディをスタートしている。今回の会議は、僕の隣に経営共創基盤の代表取締役CEO冨山和彦さんにもアドバイザーとして参加してもらった(上の写真)

 このプロジェクトの面白さは、東京都が地下鉄、上下水道、病院などの社会インフラを担う大口需要家だからだ。病院も、下水道のポンプ場もそれぞれ東京電力と電気契約を結んでいる。いったいどれだけ、どうやって電気をつかっているか、その実態調査をやってはじめて見えてきた。東電は顧客のデータをとると言いながら、じつにいい加減なデータ管理をしていたのである。

以下は会議のあとの記者会見の速記録。

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(猪瀬) 会議で資料は全部公開にしちゃったから分かったでしょう。だいたい。きょうの会議で、契約電力500kW以上の都庁関連施設の一年間(2010年)の電力使用データを取りまとめた。正確に言うと、267施設データを取った。このホワイトボードには、典型的な6施設についての、そのパターンの違いを示しています。267施設のうち20施設は、東電はまったくデータをつくってなかった。

 都庁本庁舎型のパターンっていうのは、当然、こう昼間ピークがあって、これちょっと昼休みが減ってるのが面白い。で、病院の場合は、24時間、医療をやっているから、夜も高く、結構、使っています。水道局の場合は、水圧をかけるので朝方にグーンと電気使用量が上がっています。建設発生土再利用センターは、24時間電気使用量が多いが、交代の時間があってさがる。

Img_4098  下水道局は一定である〔写真左〕。交通局、都営地下鉄です。これは朝のラッシュ時に急激にあがる。

 東京電力の送配電網が、有価証券報告書の電気事業固定資産で見ると、5兆2千億円ある。原子力・火力・水力の発電関係の資産が、2兆4千億円なんだ。電気事業固定資産の7割がじつは、送配電網にある。ここが大事で、発電所が7割だと思っている人が多い。ですから、発送電分離と単純に言うけど、じつは東電の本質は、この系統にあるわけ。

 極端なこと言えば、送配電ネットワークを高速道路にたとえたら、発電設備はサービスエリアみたいなものだ。ネットワークが東電にとってその本質的な部分で、それにどうこれから公共性を持たせるかがポイント〔右下の図を見てください〕

“東京都電力”があるとしたら、このPPS発電所として、つまり天然ガス発電所を東電のネットワークに繋げ、小売もやるということ。あるいは、IPPとして、つまり東電への卸売すればよい。PPSの場合は小売もやる。その場合に、東電が、30分同時同量というのを義務Photo_4 付けているわけ。例えばここで、100万kW発電したら、ここで100万kWの需要が、30分毎に必ずなければいけないと。3%くるったら、通常の3倍の料金、つまり罰金だよと。厳しいから、新規参入を入りにくくしていた。東電が送っているお客さんというのは、どこかでリスク分散されて、系統が安定している。東電は、「どんなところにも電気を切れ目なく送ります」ということが独占企業の根拠。

 新規参入したPPSに対しては、ちゃんとこの系統の安定に責任持てますかと問う。だから30分毎に需給データをきちんと取りなさいよと。それで、ちょっとでもズレたら、3%以上ズレたら罰金取りますよ。威張ってるところなんですね。ここは、東電のいちばん大事なところである。

 今回分かったのは、都庁関連施設のデータが30分毎に全部揃ってたかというと、267施設のうち、全く取れていなかったのが20もある。それから、一部取れていないのも相当数あった。東電にかなり厳しく、言いました。お客をなめるんじゃないよと。

 Img_4104 これだけの厳しい要求をしていた東電が、じつは、需要家に対してはデータの収集というか、チェックをきちんとしてなかった。この集計は、たいへんな労力をかけた。これはね、267施設の全部、この折れ線グラフは1日が1本の線になっており365日、4つの季節のパターンに整理したが、30分毎に全部データをもとにつくった。そういう緻密なデータを作ることによって、東電の問題点が出てきている〔左上写真は会見でグラフを説明しているところ〕

“東京都電力”がやるとしたら、このPPSであり、あるいはIPPでしょうから。そういうときに送電網に対して、どういうコスト分析をするか、この送電網自身の分析もしていかなければいけない。国が今、いろんな検討会議作っているが、具体的な提言は、こういうデータがあるから言える。

 発電所というのは、迷惑施設だと考える人がいるが、垂直のタワーですけども。Vertical Farm。コロンビア大学が、中東に提案している野菜工場のサンプルです。火力発電所の煙突に、これを設計上、うまく、野菜工場のユニットを嵌めていくと、こういう例えばのイメージができあがる(コロンビア大学のデザインはこちら )。

 野菜工場を、廃熱を利用してつくることができる。観光名所になるということと、東京は、2020年までにCO2を25%削減すると、目標を掲げて行動しているが、火力発電所というものが、廃熱を利用した野菜工場という側面を持てば、環境にも貢献する。これもフィージビリティスタディのコスト面に反映させていく。

(記者) テレビ東京の青木です。さっき、おっしゃったデータというのは、20を覗いて260すべてのデータがすべて入手できたのでしょうか。

(猪瀬) 267全部をデータを要求したが、一日分もデータがない施設が20あった。また1箇月分欠損とかもあった。もちろん工事で1箇月抜けるということはあるが、記録を取り忘れていたとか、非常に初歩的なミスみたいなのも、いくつかある。

(記者) 年度内の報告書というのは、どういったものになるのでしょうか。

(猪瀬) 採算性の分析と技術的な分析を含め、年度内に出したい。例えばね、技術的にもあのタービンの燃焼温度が1500度とか、あるいは1600度、1700度が届くところまできています。発電効率は、川崎の天然ガス発電所は、58%だったが、60%を超えるものも出てくる。変電所に接続するためコスト、パイプラインからガスを引っ張ってくるコスト、これらが採算性に関わってくる。もちろん燃料のコストってあるが、天然ガスの燃料のコストは、他の発電所と、だいたい皆同じになりますからそこには大きな差が出てこない。技術的なスキームもあれば、その事業スキームもある。どのくらいの大きさで、どうしたら採算性が合うかということですね。

(記者)5つの候補地の中で、絞り込みはされるのでしょうか。

(猪瀬) それぞれの候補地のうち、こちらはパイプラインが近いが、こちらは変電所が遠いとか、あるいは、既存の共同溝を使えるかどうかとか、いろいろな形で考え、差を出してみようと考えている。

(記者) いまのお話に関して、事業スキームを東京都として、今年度末までに固めるという、そういう理解で、よろしいでしょうか。

(猪瀬) もちろん、そうですね。もう1つは、冨山さんも言っていたが、国の検討会が、これまだ2~3年動きがあると、ただ独立系の発電所は、市場ではたった2%しかなく東電に対して、発言力があんまりない。そこで東京都側から国に対して、このネットワークのあり方について、問題提起をしていく。その中で、そのいくつか採算性の項目で変わっていく要素もある。そこも変動要因として入れていきます。いまのまま2~3年、このネットワークの託送料が、同じではないでしょう。これから、東京都は、この問題を提起していきますから、そこが変わっていきます。

(記者) 先ほどの会議の中で、フィージィビリティ調査というお話がありましたが、我われ記者が出た後、その辺のお話もされたのですか。

(猪瀬) これから数字を入れていくわけですね。ただ今の、だいたい、今言ったようなことです。

(記者) このVertical Farmというのは、野菜を作って売ることで、ガス発電所の収入として、利用するというようなイメージなのですか。

P1010900 猪瀬) 2つある〔写真右〕。1つは、いままでなぜ福島にある原子力から東京に電力を送られてきたかというと、東京周辺にその迷惑な施設は置いてもらいたくないということがあった。実際に、火力発電所も千葉側とか、あるいは神奈川とか、そういうところが多い。あるいは川崎の工場地帯とか。しかし、地産地消の考え方では、東京の都心に接近するよね。

 よくあるのは、“迷惑施設だ”という主張。電気をいただいているにも関わらず、福島から送ってくればいいんだという考え方。そこから思想が変わった。そうすると、地産地消ですから、消費者に近い場所に、発電所ができると、その場合に、いままで迷惑施設という考え方をしているけれども、そうじゃないでしょうと、ということで、お台場に観覧車があったり、葛西臨海公園に観覧車があったりして、あの海の近くは綺麗だなと。

 その観覧車のイルミネーションは綺麗ですよね。野菜の工場は当然、煙突の排熱を利用するという意味で、コストの問題に関わってくるが、イルミネーションがつけば東京の新しい観光名所になる。集客施設になります。発電所の野菜の工場は、世界的に有名になりますね、間違いなく。夜は綺麗に電気が点く。もちろん、LNGの電気で、そして、この排熱を利用して、で、一定のコストを、きちんと賄える。こんな感じですよね。これはあくまで、イメージ図です。それから、ある一定の部分を、市民菜園にしても、都民菜園ということも、周辺で、この近くで、どこかに組み込むもできますが、新しい発電所のあり方だと思います。

(記者) これ、あのフィージィビリティスタディとか、設計段階において野菜工場を組み込んだ設計とか、フィージィビリティスタディだとかで、それを今後、検討を始めるという理解でいいですか。

(猪瀬) コロンビア大学で、たぶんカタールだと思いますが、これは発電所じゃない。暑いところで、中東のタワーをつくって、水を効率よく流すということでの植物工場なのです。今回考えたのは、発電所の煙突の側面でうまく排熱利用すれば野菜工場ができるだろうと。

(記者) 今日のPTで公開された送電網の公共性の高さを表す数値(送配電設備の資産が電気事業資産の7割)と、公表されたデータを実際どのように東京天然ガス発電所の今後の検討に活かしたいとお考えですか?

(猪瀬) 先ほど冨山さんも言ったが、「発送電分離」と簡単にマスコミは言うけど、電気事業関連資産の7割にあたる送配電網が東電の本質であれば、その7割に、どういう別の公共性を持たせるかという議論をしないといけないんじゃないのか。「発送電分離」といえば何か片付いたような気分になる人が多いのが、そういう問題じゃない。以前から僕は発送電分離とは言わず、「電力市場の弾力的な運用」と言っている。その弾力性をいかに持たせていくか、具体的に“東京都電力”をつくることによって、変えていく。

(記者)つまり天然ガスだけじゃなくて、今後、すべての新しい発電事業で自由に使えるような送配電網をつくると?

(猪瀬) いや、原子力と水力は、もう東電です。原子力は国がやったらいいと思う。要するに火力ですよ、競争するのは。

(記者) 30分データが東電が蓄積している必要があるのかよく分からないのですが。

(猪瀬) これは東電として蓄積している必要はあると思います。なぜなら、我われ需要家が、どう電力契約をするかというとき、どういう需要曲線があるのかということを知る必要があります。電力契約をする場合に、需要家が情報をやっぱり求めていい。

 例えば、これ東電じゃない会社があったとして、東電じゃない会社に需要家が契約を結ぶときに、こっちのデータと比べますよね。ですから、需要家としては電力契約の中でより安い契約を結ぶためには、こういう、こちらで30分ごとにやっている訳ですから、こっちも30分ごとにきっちりやっているはずだろうと当然考えますから。そしてそれに対する開示を求めて、そして確認することは必要だと思います。

(記者) 冨山さんが言っていましたが、公共財だから東電としては、他の会社に渡したくないデータだろうが、そういうデータでも他のコストと比べるようなデータは出すべきだし、出せないとおかしいということでしょうか。

(猪瀬) そういうことですね。東電は今回、初めて言われた。データは全部そろっていると錯覚しているわけですよ。「うっかりしてました」「本来やっているはずでしたが」という弁解が返ってきた。だから、彼らはこれをやっとかなければいけなかったという認識はある。ちょっと自分たちも油断していたなという感じでいる。独占企業の要するにずさんさというか、ガバナンスのずさんさが、今回、こういう要求、今までなかったんで、こういう要求することによって、見えてきた。ちょっと深刻な顔していましたよ。

(了)

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2011年12月13日 (火)

高齢者のケア付き住宅がカギを握る。住宅か施設の二者択一ではない東京モデル。

 消費税増税とセットになって、「医療と介護を一体化して医療費を削減しなければ」などとテレビで政治家がいう。あたり前のことだが、東京都は僕がチームリーダーとなった「少子高齢時代にふさわしい『すまい』プロジェクトチーム」のなかで、医療と介護を一体化したすまいのモデルを示してきた。

 きっかけは2009年3月の群馬県で起きた「たまゆら」火災事故だった。すぐに特別養護老人ホームをつかさどる厚生労働省にあたる東京都では「福祉保健局」と、住宅政策をつかさどる国土交通省にあたる東京都では「都市整備局」、この二つの局の壁を破って横串を刺したプロジェクトチームをつくった。

 ここでつくりあげた東京モデルが着実に都内各地でふえつつある。現地を確認に視察してきた。以下は、前半が医療・介護連携型高齢者専用賃貸住宅(中堅所得者層向け)と、都市型軽費老人ホーム(低所得者層向け)を備えた「綾瀬コミュニティーパーク」(足立区)。

 後半は港区虎ノ門の「シルバー交番事業」〔ふれあい相談室〕。

 それぞれぶらさがり会見速記録。

○「綾瀬コミュニティーパーク」(足立区)

Dsc03400 (記者) 視察していかがでしたか。
(猪瀬) 今まで、住宅か施設かの選択だった。特養の待機者が4万人いる中、新しいスタイル、「ケア付きすまい」という東京モデルを提案したのが、「すまいPT」である。

 こうした施設が今までなかったのは、行政が縦割りだったから。施設か在宅かの二者択一しかない。自宅で暮らしたいが、子どもは独立していると独り暮らしとなり、いざというときの不安がある。一方で特別養護老人ホームに入居しようとすると数が足りない。しかし、ほんとうのニーズが真ん中にあると気づいて、東京モデルを作った。

 この東京モデルにより、特養の待機者は4万人いるが、この新しい施設で3万人は吸収できるのではないかと考えている。自宅のそばで、買い物にも行けるし、ちょっと心配なら診療所もある、こういう多様な選択肢が用意されている理想的なすまい、さきほどの高齢者の言葉で言えば「高齢者の天国」をつくることが、老後の暮らしを明るくしてくれる。

(記者) 目標を達成することは難しいのではないか。
(猪瀬) ケア付きすまいは2年で目標825戸のところ、882戸の実績でこれからもっと増える。今のところ順調に進んでいる。低所得者向けのケア付きすまいである「都市型軽費老人ホーム」は3ヵ年2400床の目標で、今のところ実績300床であるが、まだまだ知られていないことが原因のひとつ。安定した家賃収入が得られる。メディアでもっととりあげてもらえれば、市場も増える。

(記者) PTの横串の成果は何か。
(猪瀬) プロジェクトチームをつくったのは、「たまゆら」の火災が起きたから。東京の外に500人くらい生活保護を受けて生活している人がいる。行政の縦割ではなく、ほんとうにニーズは在宅と施設の中間にあるという、第三の選択を選べたこと。国に規制緩和を求め、都は補助をすることで、民間の力を引き出す税の投資を行った。

(記者) そもそも住宅そのものがないのではないか、既存の住宅ストックの活用はしないのか。
(猪瀬) 既存ストックでも、共同スペースをつくって改造する場合、補助を行っている。

Dsc03488 (記者) 大手企業への売込みはしないのか
(猪瀬) 一部はやっているのではないか。小さいところからはじめ、今回のような良い例を見せることで、大手も気がつくでしょう。PTをやっていた当初、業界紙は何十社と取材に来て取り上げてくれた。そこに大きなマーケットがあることを知っているからだ。一般紙は小さい紙面しか掲載されなかった。

(記者) 今後の予定は?
(猪瀬) 成果を見て増やしたい。認可保育所から認証保育所と同じで、規制緩和を行って、特養の待機者を減らす。

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○港区虎ノ門のシルバー交番事業「ふれあい相談室」

(記者) 実際「シルバー交番」をご覧になっていかがですか。

(猪瀬) この施設の正式名称は ? 

(職員) 「ふれあい相談室」です。それぞれね、実際の名前はふれあい相談室とか、自由につけているんですが、基本的には東京都の事業としてはシルバー交番事業です。こういうかたちで区市に普及させていこうということで、今年度中には30箇所、2年くらいかかっていますので、やっといろいろ各区とか市にご理解いただいてきた。東京都が半分補助しています。

 警視庁から、交番という名前を勝手に使うなと言われ、「シルバー交番事業」と「事業」にしたら文句なかった。

Img_4081_2 (記者) 民生・児童委員さんの話があったんですけど、民生委員の地域の見守り機能が低下するなかで、こういう専門家の方が、今回は高齢者対象ですが、精神疾患なんかでも含めてアウトリーチの重要性とかが言われている。いろんな精神疾患とかがお歳を限らずですね、そういう様々な人に対するアウトリート型のサービスっていうのをより充実させていく、これは医療費の低減、早期発見とかの役に立つと思うんですが。

(猪瀬) 基本的には、アウトリーチなんだよね。だから、認知症と精神疾患の区別が付かないような場合もある。先ほど言ったように、民生児童委員とか今までの地域の見守りというのは、それはそれでよくやっているんですけど、だんだんやっぱり無縁社会と言われるような話になってくると民生委員の方々だけでは見切れない。

 新聞の配達の人とか牛乳配達の人とかヤクルトおばさんとかいろんな人が、それぞれやっているんですね。給食を配っているNPOもあるしね。やっぱりきちんとした役所の中にシルバー交番をつくって、そういうものをある程度補って要になるような形に作り変えていく必要があるんじゃないかと思っています。

 ここのシルバー交番もいまスタッフが二人ですけど、もうちょっと充実させていく方向があっていいかと思います。お二人で700軒回るわけですから、もっと増やすようなかたちを考えたい。

(記者) 今日の視察の結果は今後の施策にどのように活かしていきたいと?

(猪瀬) メディアが、いままでの実績をなかなか書かない。資料はいくらでもあるのに。そういうことで、じつは2年間に始めたときも業界紙しか取り上げなかった。説明難しいからな。

 いま、急にテレビで政治家が出てきてね、「医療と介護の一体化」とか付け刃みたいなことを言っているの。そんなの全然だめよ。さっきの足立の施設にクリニックがあったでしょう。あのクリニックは、マンションの居住者と外にいる町の人たちと両方見ている。訪問介護を1軒1軒回るのと同時にこのマンションの1階にあるから、マンションの中の高齢者を見ると。

 このシルバー交番のある港区の建物も、フロアでデイケアセンターがあり、さらに下のフロアでリハビリステーションのようなものがあり、そして、いまたまたまシルバー交番もこの建物にある。それで高齢者がいっぱいいる。そのようにほんとうは一つのビルに一個づつそういうのができてくるかたちになれば理想的でしょう。

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2011年12月 8日 (木)

今日は12月8日、日米開戦70年。いまなぜ100万kWの発電所をつくるのか。

 12月8日、都議会本会議で100万キロワットの天然ガス発電所について民主党都議から質問があったので、答弁に立ちました。以下はその速記メモ。

【猪瀬副知事】
Ita_6804  100万キロワット級の天然ガス発電所の設置についてのご質問ですが、その前に一言、申し添えておきますと、今日は12月8日、70年前の12月8日、真珠湾奇襲で日米戦争が始まったわけです。日本は対米・英・蘭、蘭というのはオランダですけれども、宣戦布告したのですが、それはオランダ領インドネシアの石油資源を確保するためでありました。戦後、日本は資源小国として、原子力発電に活路を見出していくということになったわけですけれども、3月11日の東日本大震災で原子炉が壊れた。そして福島から九百万キロワットの電力が来なくなりました。さらに新潟の柏崎刈羽で八百万キロワットのキャパシティがあるのですけれども、中越沖地震などで、今現在来ているのは二百五十万キロワットでありますが、その二百五十万キロワットも、この1月、3月の点検でゼロになります。

 そういう中で、我われは、どうしたらいいか。国が有効な手立てを打てない中で、東京は都市機能を支える電力の確保という喫緊の課題に直面しておりまして、都庁一丸となって、この難局を乗り越えなければいけません。

 このため、去る八月、知事本局・財務局・都市整備局・環境局・建設局・港湾局・交通局・水道局・下水道局の関係九局の職員からなる横断型の「東京天然ガス発電所プロジェクトチーム」を立ち上げ、百万キロワット級の発電所設置について検討を行うことにしました。発電所設置の目的を改めて述べます。

一つは、電力の大量消費地である首都東京が自ら行動を起こし、地産地消の東京産エネルギー確保に向けた姿勢を示すこと。

 二つ目は、東京湾岸には運転開始から三十五年を超える老朽火力発電所一千万キロワットが存在しますが、このプロジェクトを、その設備更新に向けた先導的取組として位置づけていくこと。

三つ目ですが、東京が自ら発電所設置に取り組むことにより、これまで見過ごされてきた課題を発掘し、電気事業への参入を阻む規制の緩和について、政府に対して提案要求をするなど、我が国の電力供給の自由化を促進、推進するためのモデルとしていくこと。以上の三つが肝です。

つぎにプロジェクトチームの取組でありますが、これまで関係局において課題の整理を行うとともに、専門家からの情報を得ながら、都有地を一定の条件でスクリーニングし、九月に発電所設置の適地として、五箇所を発表しました。

 そして現在、この五箇所について、事業可能性調査として、採算性の検討はもとより、さまざまな事業スキームの策定や発電所設置の技術的検証に着手したところであります。
Ita_6808_2

 その際、採算性の検討に大きな影響を与える国のエネルギー政策の方向性や東京電力の総合特別事業計画の動向を見極めつつ、将来の電力価格や燃料である天然ガスの価格など、本プロジェクトに密接に関連する諸条件に十分留意しながら、幅広く詰めていくという形でやるのが当然であります。

 こうした取組みに加えて、電力の安定確保に向け、電力会社からの電力だけに頼らない地域分散型発電の推進や再生可能エネルギーの導入など、総合的・戦略的に思想を持ったエネルギー政策を展開していかなければならないと、こう考えております。以上であります。

(再質問)
【興津議員】
 再質問させていただきます。先ほど、猪瀬副知事より懇切・丁寧なご答弁をいただいたところでありますが、昨日の新聞報道によると、東京電力改革推進行動計画において、自前での発送電の転換を打ち出しております。これにより、電力卸売事業者の新規参入が進むかもしれない。しかし、電気料金額も流動化するなど、今後には、不透明な部分も出てきたと思います。先ほどのご答弁において、自ら行動を起こすという形で、建設に向けて、非常に前向きなご答弁でありました。であるからこそ、再質問に立ちましたが、私は発電所建設に反対という立場ではありません。しかし、建設にあたり、そのイニシャルコスト、ランニングコストに、民間参入により都の財政を投入すべきでないと考えています。都の財政の投入も視野に入れているか、視野に入れている建設計画なのかどうか、ご答弁を願います。

【猪瀬副知事】
 採算性について、充分に考慮するということは、さっき答弁しました。今、事業スキームを検討しているところですので、かなり緻密にやって、そしていずれ発表します。以上であります。

(了)

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9/15(木)終電後から“九段下の壁”撤去工事がはじまります。

 下記のお知らせが、九段下の駅(メトロ半蔵門線・都営新宿線)にも張り出される。いよいよ。

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2011年12月 5日 (月)

〈日本語に訳しました〉ニューヨークタイムス(2011年11月17日)「好機を逸する原発事故後の日本の電力改革」

ニューヨークタイムス(2011年11月17日)
「好機を逸する原発事故後の日本の電力改革」
文責;大西 哲光、マーティン・ファクラー

〔東京〕 使いものにならなくなった福島原子力発電所を抱えた東京電力に対する反乱として、東京都は原子炉1基相当の電力を生み出す巨大な天然ガス発電所建設へと迅速に動いている。

 そうした発電所は、福島第一原子力発電所での3月のメルトダウン後の首都の電力の安定供給を確保することになる。しかし、より重要なのは、都が言うには、それが日本における必要な変革に大きく拍車をかけることになりうるだろうということである。東京電力すなわちTEPCOを弱体化することで、改革者たちは、かつては日本の戦後の急成長を牽引し、今は長引く不況から抜け出せない状況をつくっている財界と政府との癒着という楔をついに打ち砕くことを望んでいる。

 猪瀬直樹東京都副知事は「川に落ちた猛犬は叩け」という古い諺を引き合いに出し、「今が我々の好機だ」と述べた。「3月11日、東電は水に落ちた犬になった。こうした強敵に立ち向かえるのはそのときしかない。」

 それほどの強敵であるため、実際、日本の指導者たちが、まるで終戦時のように、原子力災害をある種の再生に結びつけると誓ってからわずか8ヵ月で、根本的な変革の機会は急速に遠のきつつある。

 既に改革者たちは決定的な結びつきを失った。首相として菅直人は、原発廃止とエネルギー産業界の大変革を訴えた。東電の忠実な支持者であり、日本の権力組織の多くの人々同様に東電の施しから利益を得てきた日本の最も有力な事業者利益団体のおかげで、菅はその職を追われた。

 菅氏の後継者であり、新しい日本を築くと公約し政権を取った政党の野田佳彦は、逆に原発保守派や東電に与した。

「事故当初の数ヶ月はまさに変革の好機だと思った。しかし、現在は福島を抜本的な改革の契機とする動きは勢いを失いつつある。」と『東電解体―巨大株式会社の終焉』の著者で経済学者の奥村宏は語った。「日本の失われた10年、それは失われた20年となったが、今や失われた30年になる非常に大きな危機を孕んでいる。」

 アメリカの国防産業と並ぶほどの東電の影響力を誇張して言うことは難しい。
 
 事実上の独占と不透明な電力の料金体系のおかげで、東電は政治家や官僚、事業者にとっての規制の緩い大きな資金源のひとつとなった。そして、彼らは絶対的な支持と、原子力危機を招いた典型的な放漫監視でもって、東電に報いてきた。

 東電に対する孤軍の反乱は、数年前に国の道路建設独占企業に対して行動を起こして成功を収めた猪瀬氏のような政治家や、先の電力自由化への試みに挫折した後力を失った官僚集団や、幾人かの日本の最も革新的な企業家たちによって導かれている。

 彼らに相対するのが、東電と日本の9電力会社の市場を事実上ライバルもなく掌握することで長い間利益を得てきた者たちである。日本経済団体連合会、すなわち経団連は、日本最大のオンラインショッピング会社に成長し、海外に急速に事業拡大している設立14年の会社楽天の創業者で、同団体の最も有名人の一人である三木谷浩史と公知の対立を引き起こしてまでも、規制緩和への反対をはっきりと示した。

 ツイッター上で三木谷氏(46歳)は、そうした電力会社の「独占と、政治家・官僚・事業者・報道媒体間の癒着」が規制緩和を阻んでいると述べた。

 事業者連合である経団連の脱退にあたり、氏は日本の更なる「ガラパゴス化」-日本が内向きになり、先細りする国内市場に依存し、海外での競争力を失う傾向が強まることを表す新造語-に経団連が拍車をかけていることを非難した。

 電力産業の支持者たちは、自由化市場を持つアメリカのような国々での停電を引き起こしかねないと非難しつつ、規制緩和はただ国に損害を与えるだけだと主張する。

「革命論者たちは既存の物を打ち壊すことに楽しみを覚えるものだ」とエネルギー部門を所管する経済産業省元政務官であった近藤洋介議員は語った。「なぜ彼らは我々が世界に誇れるものを破壊する必要を感じるのだろうか」

 近藤議員とその盟友たちが優勢を握っていると思われる最も明確なしるしは、東電を破産させぬようにするとともに、福島第一原発近隣地域への避難を余儀なくされた9万人の住民への東電の補償に役立てるのに必要な多額の支出の手始めとなる同社への1150億ドルの資金投入という政府の最近の決定であった。

 東電の株主や債権者を保護する救済金はほぼ確実に電気料金の値上げを必要とする。これまで、その代わりに政府はほとんど何も求めてはこなかった。
「東電が勝ち、全く変わらず生き残る見込みは7対3である」と経済学者で規制緩和の支持者である八田達夫は述べた。「また津波が来て、他の原発が破壊されたら、公算は50対50になる。」

消費者への大きな負担

 政府の方針は、東電の権力の中枢に据えられている。

 日本は先進国の中でほぼ唯一送電網の規制緩和を行っていない。そのため、電力会社が発電と送電の双方を握っている。さらに付け加えると、電力会社は、しばしば多くの不明瞭支出を含む複雑な体系による電気料金の設定を認められている。経費がかさむほど、電気料金も上がるというわけだ。

 東電の経営を調査する政府委員会により先月公表された230ページの報告書によれば、原子力開発に係る国家戦略促進を志したこの政策が、東電に湯水のように金を使わせることを助長するという予測しうる結果を生んだということだ。調査委員会は、2009年の純利益が17億ドルで、192施設で日本の1/3の電力を賄っている東電では、通常では考えられぬほど莫大な額の契約を分け与えられた広大な関連会社のネットワークがあることを発見した。こうした会社のいくつかは、大規模メーカーと取引をまとめ、富の分配を受けられるようにした。

「すごいシステムだ」と、『東電帝国 その失敗の本質』の著者で東電を取材した元新聞記者の志村嘉一郎は語った。「割りを食うのは消費者だけだ。」

 じつは日本人はアメリカ人が払う電気代の平均2倍の料金を支払っている。

 おそらくさらに悪いことに、東電は日本最大の「銭箱」であったと批判する者たちもいる。設備やサービスを同社に提供する経団連の他のメンバーに膨れ上がった巨額の代価を支払う一方、政治資金集めのパーティーにおびただしい金額を寄付したり、研究費に気前よく金を投じたり、実際の競争者など全くいないのにニュースメディアに広告費を出したりしていた。また東電は政府官僚や警察官僚に対して実入りの良い天下り先も提供した。

 その見返りに、東電が日本の原子力体制の主役になったとしても、「原子力村」として知られる東電の悪習はほとんど問題視されずにきた。

「東電は癒着の中心にいる」と元東京大学総長の佐々木毅は語った。「東電の改善なしに原子力村の改革はできない。」

 東京電力取締役社長の西澤俊夫はインタビューの中で、東電が並外れた影響を持っているとの指摘に取り合わなかった。

「私は長い間東京電力で働いてきた。私たちがあれこれコントロールできるようなことではない。」と述べた。「そんな力は持っていない。」

独占打破へ向けた動き

 今月の初旬、日本北部のまち帯広において、東電や他の電力会社を将来脅かしうるソーラー発電所の建設が始まった。

 そのソーラー発電所とは、巨大通信会社ソフトバンク社長の孫正義が今後日本中に建設したいと考えている施設の第1号にあたる。日本一の資産家であり、もっとも革新的なビジネスリーダーとしても広く認められる孫氏は、10年前NTTの独占状態を打破した。

 電力網に対する電力会社の独占を緩和するため孫氏は、高まる反原発感情に呼応したものと思われる47都道府県中33の知事の支持を得た。

 それは、東京都が天然ガス発電を利用して小規模に行おうとしていることでもある。都の幹部によれば、その天然ガス発電で地下鉄や多くの公的施設を動かすのに十分な電力をまかなえるという。

 「少なくとも、私たちは改革の手段を得ていくべきだ。もちろん、あまりにも多くの既得権益があるので、全てを解決することはできないだろうが。」と猪瀬氏は語った。

 実際、猪瀬氏は、多くの企業の参入と競争を生むことになる発送電分離について多くの人が規制緩和の聖杯のように崇める中、その追求には慎重である。

 改革に向けた先の試みの失敗は、東電とその支持者らのもつ支配力の証しとしてしばしば引き合いに出される。多くの先進国が発送電分離を実現した後の1990年代半ば、通産省内の小さなグループが同じことを試みようとした。

 東電と他の電力会社らは強固にその改革を拒んだ。自民党議員であり、党内の数少ない原発に批判的立場にある河野太郎によれば、彼らは、当時与党であった自民党にも手をのばしたという。東電と経団連は、東電の元副社長であった加納時男を巧みに選び出し、経団連のために党が確保している議席を与え、通産省内の反逆者たちを押さえ込むのに一役買わせた。

 経団連は本稿に関してコメントすることを拒んでいる。東電の西澤社長は発送電を分離しないことが電力供給の安定化にとって最善策であると語った。

 政治的な支持を得られなければ、村田成二という官僚が率いる省内グループに勝算などなかった。

「村田派はクーデターによって排除されてしまった。」と核問題に関する執筆を多く手掛けた塩谷喜雄は語った。

 そして福島原発の事故が起きた。村田氏の片腕の一人である日下部聡は来夏までに新エネルギー政策の草案を作成する役割を担うことになった。内閣府で働く日下部氏は、(経済産業)省内の反対にも関わらず発送電分離を共に推進しようと10年前からの二人の仲間を呼び戻した。

 しかし、前首相によって任命された日下部氏のチームが実際にどの程度の力を持つのかは不透明である。政府は10年前同様、電力業界や原子力に対する批判を鎮めるために、影響の少ない変革を行うにとどまるかもしれないと専門家らは述べている。

市場開放の試み

 名目上は、日本の電力業界の多くは過去10年間に自由化されてきた。福島原発事故によってますます明らかとなったその電力自由化の空虚さは、昨今の挑戦者たちの直面している困難さが浮き彫りにする。

 東電と電力業界への保護は自由民主党の長期政権下で始まったものの、財界と政界の癒着を正すという公約の下2009年に政権を奪取した民主党政権下においても引き続いてきたことを歴史は明らかにしている。

 電力会社の事実上の独占体制を打破する試みの一つとして、日本の電力市場の60%は2005年までに、いわゆる特定規模電気事業者(PPS)という(主に自家発電を行う事業者から)電力を購入したり、企業向けに電力を売却したりできるブローカーのような会社に開放された。また、日本卸電力取引所(JEPX)という市場が電力の卸売取引を行うために設立された。

 しかし、電力会社の1/3の安価な電気料金を設定しながらも、電力会社の送電線に依存しなければならない新規参入業者たちの市場でのシェアはわずか2%だ。顧客を奪われたくない電力会社は、新規参入業者たちが送電網を利用するのを難しくしている。 

 福島原発が3月に停止したとき、東電は関東に十分の電力を供給することができなくなり、新規参入業者たちはチャンスが巡ってきたと信じた。それどころか政府は、新規参入業者の顧客も含む全ての電力の大口需要家に、15%の電力消費削減を命じたのである。

 その政策によって新規参入事業者は、事実上15%分の余剰供給を得ることになったのだが、それについて政府は、東電に売るという“解決策”を示した。

 新規参入業者の最大手の電力会社エネットを6月に退職した武井務元社長は「理論上は我々は競争していることになっていた。」と語った、「(しかし)真の競争市場では、ライバルがダメージを負えば、自社のシェアを増やすチャンスとなるはずだ。」と。

 エネットは、顧客に対する価格よりも安い価格で電力を直接東電に売ることを強要された。その損失は月々約13万ドルにもなったと言われている。

 電力自由化をめぐる過去の他の試みにおいて、他の電力会社が東電とあるいは他の電力会社同士で競争を許されたこともあった。しかし電力各社は、独占状態を維持することを選び、競争しようとはしなかった。そして福島原発の事故以来他の電力会社は、東電の下で強く結束し、その様は明らかに東電の崩壊は自社の崩壊を意味するものとして恐れている。

 原発を抱える他の電力会社は、東電に対する救済措置のうち9千万ドルを負担することにさえ同意したが、そのことが暗示しているのは東電が幾年にもわたって積み上げてきた同社の強大な影響力というものが、現時点では無傷であるということだ。

「(長年にわたって東電が積み上げてきた同社の強大な影響力は)東電を守り、そのまま維持するために築き上げられてきたものである。」と『東電解体―巨大株式会社の終焉』の著者の奥村氏は語った。しかし問題なのは、その救済措置が「単に1社に関するものではないことだ。(つまりは、日本の将来に関する問題でもある。)」と述べた。

 東電への戦いは、将来の日本のあり方をかけた競争へと発展した。

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2011年12月 2日 (金)

都営新宿線で来年3月に携帯メールができるようになる。孫正義さんとのスピード決定。

Img_4051  都営新宿線の新宿駅~九段下駅までの4駅(5キロ)間のトンネル内で今年度末(来年3月)に、走行中でも携帯電話のメールやインターネットを使えるようにする。12月2日金曜日、副知事室を訪れたソフトバンクの孫正義さん(移動通信基盤整備協会)と話し合って決めた。

 12月中旬までに計画の作成を終え、新宿線のその他の区間、浅草線、三田線、大江戸線(一部区間を除く)でも2012年末までに順次サービスを開始する。

 トンネル内の通信インフラについては、今年1月20日、孫さんと直接のツイッターを介してアポイントメントを決め、やろうと意気投合した。その後、先日着工の発表をしたUQ-Wimax方式も加わった。あれからまもなく1年で、具体的な工程表を明らかにできた。

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