« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »

2011年4月

2011年4月28日 (木)

六本木ヒルズは4万kwも発電できる。東電なくても無停電の理由。

   六本木ヒルズが自家発電をしている。六本木ヒルズに停電はありえない。
   そういう評判は何となく耳にしていたが、東京都の今後の電力需給のあり方を考えるために参考になると思い、実際にこの眼でしかと確かめることにした。

   六本木ヒルズの人目につかないドアを開けてもらい、地下施設直通のエレベータに乗った。セキュリティーの問題があるので位置情報ついては詳しく書けない。

   六本木ヒルズの子会社に六本木エネルギーサービス株式会社があり、11ヘクタールのエリア全体の電気供給施設・熱供給施設を管理しているのだ。この社長はそもそも六本木ヒルズの設計を担当した人で、当初から発電設備を設定していたのである。同じく六本木にあるミッドタウンにはこうした思想はないし、丸の内の三菱村にもない。都庁のある新宿西口一帯の高層ビル街には地下に熱供給システムはあるが発電はない。

発電は都市ガスを燃料としたガスタービンである。蒸気噴射形ガスタービン一基6360kwで6基ある。約4万kwである。写真①にロールスロイス製の文字が見える。このうち供給不足に陥っている東電に発電量の1割、4000kwを売っている。Dsc00303

 六本木エネルギーサービス㈱の場合、「特定電気事業者」として規制を受けている。自家発電とはいえ、六本木ヒルズ一帯の地域に対して、「一般電気事業者」である東京電力に代わり供給義務を負っているというタテマエだ。万が一、自家発電能力を需要が上回った場合や、発電機が故障した場合、供給義務が果たせないので、東京電力から電力供給を受ける保証契約しなければいけない。一種の東電保護政策である。東電との保証契約料が高いのでたいへんなのだそうだ。ところが皮肉にも、震災で東電の供給力不足を補うために、先に記したように今回は東電に売電することになった。

発電は都市ガスを燃料としたガスタービンで行い、生じた蒸気・熱を、熱供給事業で活用するから効率がよい。写真②は蒸気ボイラー、僕が小さなガラス窓を覗いているところ。内部は蒸気機関車のボイラーのような炎が見えた。電気と冷暖房が蒸気などの循環シスDsc00295 テムとして効率よく設計されている。

地震でガスの配管が折れたらどうするのか。通常の自家発電、東電からの供給が共に途絶えた場合に備え、3日の燃料灯油をストックした非常用自家発電機も設置しているが、その心配はないと説明している。都市ガスには低圧の家庭用の管と中圧の鋼管がある。低圧管は鋳鉄や塩化ビニールなどで折れることがあっても中圧管は頑丈な鋼管で阪神・淡路大震災でも折れなかった。今後の開発では、非常用発電の燃料としても、従来の重油や灯油等でなく、中圧の都市ガスを使うものも考えていきたいとのことだ。

  ゴールドマンサックスやバークレイズなど外資が六本木ヒルズにオフィスを構えるのは、電気が一瞬でも停まったらおしまいで、この発電システムがあるかぎり安心だから、という理由からだ。当然、電力設備コスト、発電コストはテナント料に反映されているわけで、それでもグローバル企業としてはリスクより安全を求めている。外資を呼び込め、法人税を下げろ、という掛け声だけがあっても、こうした設備への投資がなければ外資は来ない。
  現行法は既存の電力会社の保護規制が強い。特定電気事業は、料金を一般電気事業者(東電)以下にする必要があり、採算性は厳しいため事業者が少ない。六本木エネルギーサービス㈱も、電気事業の採算性の低さを、熱供給事業による利益で補っているのが実情である。

現行法では、特定電気事業は、特定地域に対して100%、365日の供給義務を負うが、特定規模電気事業者(PPS)や一般電気事業者からの受電を一部認める規制緩和を求めているが、この規制緩和については、何と震災の当日3月11日の午前に閣議決定されたのだ。だが震災後のドタバタで本来なら4月に政府が国会に法案提出する予定だったが、どうなることやら、という感じである。

六本木ヒルズの電力供給体制は、外資系企業をターゲットとした物件の差別化という意Photo_2 味でよいモデルだろう。東京のマーケットとしての価値を評価した海外企業が、地震リスク等はあっても、積極的に東京に来るような「真の防災都市」をつくっていくとしたら、特区をつくり六本木ヒルズ型を増やさなければいけない。そのためには、今後、法人税減税、設備投資に対する行政の補助制度や容積率の緩和などインセンティブが必要になるだろう。
外資だけでなく停電のないエリアの構築は、大震災の際に帰宅困難者等を受け入れる「災害拠点ビル」になり得るだろう(3月11日にも帰宅困難者は受け入れたが日比谷線が動きはじめたので滞留せず)。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年4月27日 (水)

被災地野菜産直キャンペーン。新宿駅西口地下広場またやります。

Img_2200_3  新宿駅西口の地下広場で野菜を売っている?

  「被災産地農畜産物応援キャンペーン」です。風評被害にあっている福島、茨城、栃木、群馬、千葉の野菜の即売会です。

4月27日12時から4時まで。完売しました。

福島県会津産のアスパラガス、栃木県藤岡産のトマト、千葉県柏産のかぶ、茨城のいちごなど。

「猪瀬さんのフェイスブックを見てきたよ」というお客さんにもお会いした。ありがとう。

まだやりますよ。

同じ西口広場では、4月30日から5月5日まで6日間連続。

新宿区と姉妹都市的な関係で、「はるかな尾瀬、遠い空」の歌で知られる尾瀬の入口、群馬県沼田市の野菜や果物の即売会が予定されているいます。URLは、http://bit.ly/g2Ofji  なお5月21日~24日に同じ場所で会津若松市が即売会をやります。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2011年4月26日 (火)

新宿の健康安全研究センターに確認に行く。風評被害を防ぐため。

Dsc00198 Dsc00226_6 「地上20メートルの計測はおかしい。計測値の低いところだけで計っている」とか「地面近くの子供の背丈ぐらいのところでなぜ計測しないのか」など俗説がツイッター上で流されている。生半可な知識で専門性を否定する風評は許されない。

空中放射線量を測定している「東京都健康安全研究センター」で直接確かめることにした。

「東京都健康安全研究センター」は新宿区百人町にある。隣に国立科学博物館の別館があり、もういっぽうの側は住宅街だ。

左上写真。センターの屋上。住宅側で周囲に遮るものはない。テルテル坊主のようなものがある。モニタリングポスト検出器だ。放射線はアルミのカバーを通り抜け、内部のヨウ化ナトリウムの結晶にぶつかり光を発する。下の太い部分には光の量や強さを数値化する器械が入っている。

テルテル坊主の高さは1メートル80センチである。地面であっても、屋上の床の上であっても同じ高さである。

※センターでは食品や医療品、飲料水などを含む生活環境の試験検査、調査研究を行っている。合わせて、公衆衛生情報の解析・提供及び監視指導なども実施している。※空気中の放射線量及び飲料水に含まれる放射性物質の測定は、文部省(当時)の環境標準調査の委託を受け、1957年(昭和32年)に開始した。※現在の調査方式は2006年12月から実施している。※東京都のセンターだが、文部省の指導ですべての県に同様のセンターがある。

 なぜ屋上か。1メートル80センチか。

 放射線は、地面や建築物からも放出されているため、より正確に放射線量を検出するためには、検出器の設置場所は慎重に決定する必要がある。センターでは近隣に高層建物が隣接していない住宅街側の屋上に設置した。モニタリングポストの検出地点は、地面から発せられる放射線の影響を受けにくくするため1メートル80センチで測定するという基準があるのだ。

 2枚目の写真。モニタリング検出器のデータは測定器に送られ、 測定されたデータは直接HPに反映されるようプログラミングされている。マスクをした僕のうしろのパソコン横に測定器がある。写真には映っていない。写真で指で示しているのはゲルマニウム半導体核種検出器である。

 ゲルマニウム核種検出器はセンターに2台ある。いま見えるのは水道の蛇口の水から放射線物質の濃度を測定する器械。反応時間を2万秒に設定している。6時間もかかるので翌日公表。※浄水場の水については産業技術研究センターで測定している。反応時間は3000秒、即日公表している。

 もうひとつ、センターにほぼ同じ大きさの器械は空中降下物(塵、雨)の測定に使っている。

 このセンターの環境放射能測定室は二重扉になっており、検体に不純物が混入することを防ぐため床には粘着シートが張られている。二つ目の扉を開ける前に靴・衣類の着替え、念入りな手洗い、ヘッドキャップ及びマスクの着用が義務付けられている

 下の写真。シンチレーション・サーベイ・メータで、簡易版である。右のビニールに包まれた部分がテルテル坊主にあたる部分。左が測定値を計算して表示する器械。この簡易版でも56万円もする。ポケット線量計はさらに簡易で数千円のものもある。価格が低いぶん精度にバラツキがある。したがって個人で目安として使うのはよいが、マイクロシーベルトのレベルではあまり意味がない。消防隊が使っていた線量計は10ミリシーベルトを超えるとピッピッと鳴ったが、そういう作業で使うときに効果を発揮する。

 なおヨウ素やセシウムはγ線、ストロンチウムはβ線、プルトニウムはα線。ストロンチウムとプルトニウムは重たい。ヨウ素とそれより少し重いセシウムは遠くまで飛ぶ。

 

Img_2185_8

| | コメント (14) | トラックバック (0)

2011年4月19日 (火)

浦安市の液状化についての考察。東京下水道の技術力も復旧の鍵。

 浦安市を視察した。液状化という現象が知られるようになったのは比較的最近である。

 東京都水道局、下水道局はすぐに浦安市の復旧に協力するために派遣された。

 松崎秀樹・浦安市長は、浦安が被災地なのに東電の計画停電が震災後もつづいたと怒っていた。水道も下水道も使えず住民は困っていた。しかも液状化で泥が地表からあふれて積雪のような状態で、懐中電灯片手に砂泥をシャベルで片づけなければ歩けない。

 ライフラインについて千葉県庁の応援も期待したが、なにもしてくれなかった。災害救助法は昭和22年につくられたもので「液状化」は災害に指定されていない、だからすぐに協力する体制にないようだ。

 上の写真。電柱がスポッと沈んでいる。住居表示が道の下に半分隠れている。電柱に繋がる細い管は臨時の電線。下に見える黄色の管は臨時に敷かれたガス管。写真には映っていないがガス管の横にやはり応急の水道や下水道が露出している。

Img_2100_2 Img_2142_3 山本周五郎の『青べか物語』の舞台は江戸川沿いの旧市街だ。海岸沿いは新しい埋め立て地でそこに戸建ての住宅街とマンション街がきれいに区画されて立ち並んでいる。液状化の被害はこの新しい埋め立て地で起きた。

 下の写真。埋め立て地の歩道にマンホールが突き出ている。4メートルの構造物だが、液状化の水圧で飛び出している部分が1メートル、地中に3メートル。もちろん地中の下水管とはズレれてしまい繋がっていない。

 トイレが使えなかったので、貼るカイロぐらいの大きさの「キキ・イッパツ(商品名)」という災害トイレ用汚物処理剤を市役所は30万個配った。トイレにビニールを敷き、そこで用を足す、そのうえに処理剤を半分ぐらい(1袋2回分)ぱらぱらと撒く。原発の汚水漏れのときに使った溶剤と同じ原理の凝固剤である。それでビニールをゴミ置場に出すと収集車が回収するのである。なんだか情けないが、こんな方法しかない。

 もちろん簡易トイレも置かれたが、東北地方に送られているので絶対量が不足した。

 ライフラインが壊れると、都市生活はお手上げである。東京下水道は、下水管にテレビカメラ付きロボットを入れ、不通箇所を見つけ手際よく応急処理して、浦安市民から感謝されている。

 埋め立て地でも、ディズニーランドや、一部のエリアで「サンドコンパクション工法」で地面を固めたところは液状化の被害が少なかった。この工法は大型重機で砂を叩いて固めて柱のようにして地盤を強くするやり方だ。

 戸建ては斜めになったりしていても、マンション群はほとんど被害を受けていない。40メートルほどの固い地盤まで鉄骨の土台を入れているからだが、道路や公園などが液状化でやられているから、結局、ライフラインは断絶した。

 東京ビッグサイトでも駐車場の一部には液状化があったものの建物はびくともしていない。構造物は大丈夫なのだ。豊洲でも一部に液状化が見られたが、しっかりとした構造物を置けば、心配ない。サンドコンパクション工法など周辺の地盤をかためるようなライフラインが弱点にならない対策が必要だろう。

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2011年4月15日 (金)

僕の体験的な本の読み方

 日経新聞新入社員が研修で都庁に。20人ぐらいかな。上の写真。下の写真は『昭和16年夏の敗戦』は若い人が主人公なんだよ、と話しているところ。

 「言葉の力再生プロジェクト」

http://bit.ly/hqSsKq について説明した。いまの若い世代は新聞読まないからね。

 作家としてジャーナリストの先輩として、僕の体験的な本の読み方を提案。

「本屋には一週間に一度、行くこと。タイトルが気になったら衝動買いすること。立ち読みしたままなら絶対に忘れる。だから買うこと。買ったら、帰りの電車か喫茶店でも、とにかく10分間、読むこと。初めからでなくても、どのページでもいいから開いて、読む。それで充分。全部読まなければいけないと思うとノルマ感が出てきてクタビレてしまう。10分でいいんだよ。そうして本棚にある程度並ぶようになると、ある日、ふと自分の本棚を見て、眼と眼が合うように、あ、この本だ、と再び出会う。10分間読んであるから、どんな本かわかっていて、明日企画会議がある、というようなときに自然に検索できているんだ。急に本屋さんに行くのでは駄目。本棚においてあるだけで、ワインのように熟成しているんだ。そもそもタイトルが気になったから買ったんだものね。必ず読む時期がやってくるんだよ」

Dsc00033

Dsc00040_2

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年4月 7日 (木)

東京ビッグサイトの被災者を訪問する秋篠宮親王と紀子妃。案内役でした。

 ビッグサイトで被災者に声をかける秋篠宮殿下と紀子妃殿下。奥に被災者の空間があるが、それぞれ間仕切りがありプライバシーが守られている。

 皇族が訪問をするときは正式には、こんなタイトルの細かい日程を書いたプログラム「東日本大震災に伴う避難所御訪問お成り」(秋篠宮同妃殿下御日程)がつくられる。

 被災者の生活空間から100メートルほどのホールアトリウムに被災者が来ている。希望した人たちが椅子に坐った。秋篠宮も紀子妃も小さなお子さんの話し相手もする(写真)。

 16時30分に到着し、「お成り」または「御着」、17時30分に帰る、「御発」。実際には熱心に被災者に状況を訊ねたり、慰めたり、また被災者の世話をしている都庁の職員を激励したりで17時40分に出発した。

Dsc_0336

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2011年4月 5日 (火)

宮城県・村井知事、ご遺体の火葬について東京都の協力を。

  宮城県の村井知事と会談。すでに宮城県の犠牲者のご遺体を、江戸川区の瑞江儀所で一日あたり80体ぐらい、計500体を3月26日~4月3日まで火葬していたが、その延長の申し入れがあった。これまでトラック協会の協力でご遺体を運んでいる。宮城県庁。左下写真。

 右下写真。気仙沼市で。東京消防は震災の日にすぐ出発し、交代でずっと気仙沼消防を応援している。被災地を見舞い、彼らを励ますために行った。500トン近い貨物船が海から離れた陸地に。こんなところに小さな女の子のスニーカーが、と気づいて思わず手が延びた。

110405110405jpg_2 

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2011年4月 1日 (金)

なぜ官邸に行ったか。政府所有の放射性物質検査機器の所在をすべて公開せよ

 14時、官邸へ行った。以前から連絡を取り合っている福山哲郎・内閣官房副長官に、政府として統合機能を発揮してもらうためだ。

 食品に対する風評被害を食い止めるのは、生産者の県だけでなく、消費者を抱える東京にとっても死活問題なのである。

 僕のブログ(3月28日「出荷制限について。霞が関文学「申し添える」の意味」)にも書いたが、農畜産物の出荷停止措置が県産単位で表示される。それでは広すぎる。農協別に検査すれば、汚染されているエリアと汚染されていないエリアが分別できる。汚染されていないことが確認されれば、出荷できるところがいっぱいあるから、風評被害を最小化できる。だから各県は検査機器を増やしたい。機器を用意できれば細かくエリアごとにチェックできるのに。

 本日4月1日の毎日新聞に「政府が出荷停止解除について暫定基準値を3回連続して下回った場合を検討している」と書いたが、3回計れるほどの機材がなければいつまでも解除できない。国にはたくさんの特殊法人や国立大学や研究機関がある。

 経済産業省の貿易振興課が「貨物等の放射線検査可能な主な団体一覧」を公表しているが、ここには独立行政法人や大学の一覧はない。農家のためにも消費者のためにも検査したくても、機器がない農協はどこに問い合わせたらよいかわからないだろう。

「検査体制等に対する充分な支援を講じていないにもかかわらず、国は自治体に対してその責務を課し、農産物及び水道水の放射性物質の検査を求めており、災害復旧に取り組む自治体において混乱が生じている」

そこで、具体的な要望事項として以下の2つを要請した。

「国および国の関係機関(財団法人・独立行政法人・国立大学法人等)が保有する検査機器の保有台数、人員体制、検査可能容量等を自治体へ開示すること」

「国および国の関係機関において、自治体からの検査要請を積極的に受け入れること」

Img_1966   20110401174201743

| | コメント (1) | トラックバック (0)

« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »