日時:2012年7月18日(水曜日) 午後2時55分~午後3時05分
場所:内閣府本府1階ロビー
【副知事】 原発を40年で廃炉にする場合には、全国では2030年時点で、5000キロワットのキャパシティが2000キロになってしまう
。そうすると、このなくなった部分を、どうやって補うのですかという話です。いま政府は原発依存度別に0%、15%、20~25%の三つのシナリオを示している。
これはそれぞれ、正しいとしても、どの選択肢もこの自然再生エネルギーが30%なんですよ。自然再生エネルギーが2030年までで30%というのは、すごい甘い見積もりなのですね。これは、どうしてこんな甘い見積もり出しているのかわからないのですが。自然再生エネルギーに向かっていこうという考え方は正しいかもしれないが、現実感がちょっと弱いですね。
したがって、全国的に省エネとかで、消費電力が多少減ったとしても、電力不足に陥る可能性がある。今日問題提起したのは、火力発電所のリプレースです。例えば、東電管内に1500万キロワットの40年物の老朽火力がある。原発ではないが、40年物の老朽火力というのも故障しますので、取り替えなければいけない。発電効率も40%と、非常に効率が悪く、CO2も多い。
これを、ガスコンバインドサイクルのハイブリッド型のLNG火力発電所、石炭火力もあってもいいんですが、新しいのに取り替えると、発電効率が60%くらいになる。つまり、CO2の排出量も少ない。そういうのを急いで、造り変えることによって、不足する電源を補うことが大事なのです。東京の産業というより、日本の電力の供給の問題なのですが、そこをきちんとしないと、こういう甘いシナリオでやっていると、ブラックアウトの可能性がある。
だから急いで、リプレースする必要がある。リプレースするには、東電改革の総合特別事業計画でも、新電力とは限らず民間の資金を入れることで、今の東京電力の古い老朽火力発電所を取り替えるべきだと書いてある。民間資金が入ってきたり、いろいろする可能性があるが、その時に環境アセスメントの問題が出てくる。環境アセスメントをふつうにやったら、それだけで3年かかります。
昨年東日本大震災の直後の電力不足を補うために、タイからタービンもって来ましたよね。ああいうものを慌てて設置する場合には、環境アセスはいらないという特例になっていて、その取り決めが、経済産業省と環境省の間の確認事項でなされた。3年以内に造るなら、環境アセスいらないよ。
それは出来合いのものを設置するとか、小型の10万キロワットぐらいの発電所をパッと造るのであれば3年以内にできる可能性があるが、50万キロとか100万キロワットのものを造る場合には、工事も含めて7、8年かかります。その場合に、環境アセスをそこに乗せていったら時間がない。
したがって、環境アセスは、災害対策基本法で、その例外事項として災害で発電設備が被害を受けた場合「災害から3年以内に供用を開始するものはアセスの適用除外とする」と入っています。昨年、経産省と環境省が確認事項として定めたのは、災害で被害を受けた発電設備以外の場所であっても、同じく東電の敷地内で代替する場合には、その適用除外に含めるということでした。
であれば、もうちょっと大きなもので、これからリプレースする老朽火力にも当てはめるべきだ。老朽火力のリプレースに、環境アセスはいらないよ。なぜならば一度はつくるときにやっているんですから。
つまり、火力発電所をつくる時にかつて環境アセスをやってから造っていますから。同じところに造って接続するだけです。そこで、環境アセスを省略していいだろう。ないしは、1年以内とか、あるいは、簡単なものにするとか、そういうことで急がないと。
抽象的なシナリオでただ論争しているだけでは、現実的な対応はできませんということを、今日は古川大臣に言いました。環境省があり、経済産業省があり、いろいろ役所が縦割りになっていますから、国家戦略担当大臣として、グリーンはグリーンでいいが、この部分はもっと考えなさいよと申し上げた。古川大臣は、わかりましたという返事なので、解決策を出してもらおうと思ってます。以上です。
【記者】 副知事、今回の要請にいたる背景には、首都東京として、電気のブラックアウトをしてはいけないと、産業を守らないといけないという背景があるかとは思うんですが、そのあたりはいかがですか。
【副知事】 まさに、そのとおりです。首都東京の産業を守らなければいけない。そのためには、電力は必要なのです。電力が必要だが、原発の話で電力供給が不確定要因になっている。さらに自然再生エネルギーは方向としては正しくても、これも不確定要因となっている。いま、老朽火力が東京湾に1500万キロワットあるのだから、それを早急に取り替えるということで電力供給をきちんと補う必要がある。東京の産業を守ることと、それがひいては日本の我われの経済と生活を守ることになる。ということで非常に緊急性あると思って、この緊急性がありながら政府が、どうも縦割りだし中心がはっきりしないということで、今日、問題提起をしました。
【記者】 30%甘い見積もりだということですが、もうちょっと詳しく教えていただけますか。
【副知事】 僕は震災の1年前に太陽光パネルをつけているんですよ。震災より1年前につけているのですが、当たり前ですけれど、昼間しか太陽光パネルは発電しませんよね。蓄電は出来ないのです。蓄電をするためには、それなりの大型蓄電池が必要になりますよね。
それと、連系線と言って、送配電網が例えば山間僻地に太陽光パネルをつけても送電線が無いのですね。送電線が設計とか工事のコストとか、それから期間はものすごく掛かりますから。そういうことを含めると、太陽光あるいは地熱、これは期待したいところだが、それほど大きく期待できないというか1000万戸に設置するというのは無理な話ですから、菅直人前首相がボーっと大きなことを言ったのがそのまま文字に残っているが、1000万戸太陽パネルをつけられるわけがないでしょう。
だから、方向としては資源のない国としては自然再生エネルギーは良いが、実際にはこれは非常に甘い見積もりです。水力はすでにやっていますが、水力はこれ以上ダムをつくれない状況ですから、これ以上増えませんよね。そうすると風力と太陽光、地熱ですよね。それについて具体的な行程表がないでしょう。
先ほど言いましたが、福島第一原発の廃炉まで40年かかるのですが、この廃炉までの、どうやって技術開発をするか。原子力の技術者を、どういう使命感で育てていくのか。新しいロボットをどう作るかを含めて、そういうこともきちんと問題提起しました。この3つのシナリオだけで空中戦で薄っぺらい議論をやってもらうと困るな。
【記者】 あの古川大臣からアセスの短縮については理解できると、環境省に伝えるということでしたけど、何か手ごたえは感じたでしょうか。
【副知事】 ええ。それで後、防災担当大臣の中川さんにも言おうということになりました。後で少し話したときにですけれど。
【記者】 それはアセスの関係ですか。
【副知事】 災害対策基本法が中川大臣の管轄になるから、ということで中川さんにも言わなくてはということで、環境大臣はアセス。緊急設置電源については、じつは、経産大臣と環境大臣の間に確認事項として、とりあえず3年と言っている。そこをもう少し内閣全体でエネルギー政策に関わる部分は縦割りではなくて、きちんと話し合いをすれば見えてくるのではないか。そういう意味で縦割りを超える役割の場所にいるので、古川さんに今日は話の全体像を説明して、古川さんはお分かりになったので、そこをお分かりになっていただかないと、話が進まないということです。
当事者は皆、割とこう視野が狭くなっているんだよ、それぞれの部門で。横串でずーっと議論することがあまりなくて、とにかく慌てて何か、大飯の原発が再稼動しなくてはいけないとか、ドタバタドタバタとやっている。これも早く公聴会をやらなくてはいけない、ドタバタドタバタとやっているのです。
だから、事故から1年半を経過しているのだから、本当はもう少し、ちゃんとした基本的な戦略を作らないといけない。行程表がはっきりしないということですよ。今日申し上げたから少し、多少進化してもらえるんじゃないかと思っています。
(了)